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玉磨き

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集落に伝わる伝統産業「玉磨き」の唯一の担い手である高橋家。通勤用観覧車の企画設計から設置運行までを請け負う只見通観株式会社。「古川姓」の人間の優秀さに牽引されているとされた、古川世代ブーム。不安や不調を呼び起こす「ガミ」を捕える「ガミ追い」の現場。ひたすら一人で部品だけを作り続け、完成形を見ることのない分業体制。水底に沈んだ町で、たった一人、商店街組合を守り続ける男。いつか失われ、忘れられる存在の「わたし」たち。それでも、それぞれの、ささやかな人生の日々は続く。失われるために記録される6つの仕事、6つの人生。


三崎亜記さんの本です。
 
三崎さんの頭の中の引き出しが見てみたい。
毎度ながら、よくこんな話を思いつくなあとしみじみ思ってしまいます。
 
「海に沈んだ町」は微妙にリンクしているのかしら?
読んでから間が空き過ぎてリンクにさえ気付けなかったりするのですが、三崎作品は作品間リンクがあるのできっとリンクしてそうだなあ。
 
他の作家が書く非現実的な話と異なるのは、非現実を尤もらしく現実のように描ける、という点だと思います。
参考文献まで書かれているので、これはもしや現実の話なの?!とともすれば錯覚しそうになりそうなほど、リアルでした。
 
中盤いまいち想像ができなくてついていけないという話もありましたが、いつもの三崎さんで、今回も魅せてくれました。
(4点)