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狛犬ジョンの軌跡

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太刀川要は、深夜、山のなかをドライブ中に黒い大きな犬をはねてしまう。あわてて犬のもとにかけよると、車との接触でできたとは思えない大きな切り傷からの出血で、半死半生の状態だった。動物病院での治療の甲斐あって黒犬は助かったのだが、ペットたちが激しく怯えて困っている、と獣医から連絡が入る―。こいつはいったい何者なんだ?あんな時間にあんな場所で、いったい何をしていたのか?奇妙な共同生活を始めた要と黒犬を待ち受ける現実とは―。


垣根涼介さんの本です。
 
諸事情でなかなか読むのに日数を割いてしまったものの、垣根さんらしく読みやすい作品。
既刊の垣根作品を大分読んでいるつもりですが、今までの作品にない斬新な作品でしたね。
 
犬が語り手になっていたり、主人公がいつになくまともで好感が持てたり(笑)、結局ジョンは何だったのか?と色々不思議に思う所はあるものの、何とも浮遊感漂う読後感。
 
ラストが突然終わってしまった感じでしっくりこない部分はあるものの、今までにない垣根作品に仕上がっております。
 
個人的には、助けてくれた動物病院の先生の茶目っ気が好ましく、素敵でした。
(4点)