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ブルーマーダー

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あなた、ブルーマーダーを知ってる?この街を牛耳っている、怪物のことよ。姫川玲子。常に彼女とともに捜査にあたっていた菊田和男。『インビジブルレイン』で玲子とコンビを組んだベテラン刑事下井。そして、悪徳脱法刑事ガンテツ。謎めいた連続殺人事件。殺意は、刑事たちにも牙をむきはじめる。


誉田哲也さんの「姫川玲子シリーズ」最新刊。
 
なかなか予約が回ってこないので待ちましたねえ。
良くも悪くも、映画版を見たばかりでどうしてもキャストがちらつく・・・。
そして小説を読んであらためて、姫川玲子は竹内結子ではないなあと実感。
 
まあドラマ版はドラマ版として楽しめたのですけど、原作の玲子はもうちょっと丸いというか・・・なんだろう、ドラマ版のようになめられないように大きく見せるため、虚勢を張っている、という感じではないんですよね。
ちょっとした女性の可愛らしさがあるけど、独特の勘は冴えまくっているというか。
私的には小説版の玲子の方が好きです。
 
という訳で、「インビジブルレイン」以来の長編。
 
姫川班は解散、玲子も、部下達もそれぞれ別の場所へ飛ばされることとなり、玲子は池袋署刑事課強行犯捜査係の係長となっています。
 
井岡やガンテツは相変わらず出てきますが、本作のガンテツは何処となく優しい(当初に比べてだんだん丸くなってきた気はしますが)です。
そして部下の菊田・・・・菊田・・・・!
まさかのまさかの・・・です。
 
玲子への想いを結局打ち明ける事ができなかった菊田。
しかしまさかあんた・・・!という感じです。
でも、やっぱり玲子とは一緒になるということはなさそうだなあとは思っていたけれど・・・。
今回一番びっくりしたところですかねえ。
 
今回は中盤まで沢山の人物が出て来てなかなか人間関係が掴めなかった事や、一課から所轄へ移動した事により、相関図が描きづらかったこと、各々展開する物語がどう繋がって行くのかが読めなくてなかなか入り込むまでに時間がかかってしまいました。
 
それでも中盤からラストまで一気に駆け抜ける面白さは健在。
玲子の一世一代の大勝負も格好良かったですし、まさかあそこで過去の事件に触れるとは思わず、ぐっときましたね。
 
いつか一課主任に返り咲く事はあるのでしょうか?
所轄での玲子はちょっとばかしいつもより控え目な印象。周囲の人間も明らかに敵対心むき出し、という人が少なく(ガンテツくらいか?)物足りない面も。
また、割と今回の犯人はあっさり目星がついて終演に向かっていくのが意外でした。
 
ともあれ楽しめたので、今後も追い続けたいシリーズです。
(4点)