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ドルチェ

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彼女が捜査一課に戻らない理由。それは、人が殺されて始まる捜査より、誰かが死ぬ前の事件に係わりたいから。誰かが生きていてくれることが喜びだから。警視庁本部への復帰の誘いを断り続け、所轄を渡って十年が過ぎた。組織内でも人生でも、なぜか少しだけ脇道を歩いてしまう女刑事・魚住久江が主人公の全6編。


誉田哲也さんの本です。

誉田さんと言えば、警察小説のイメージが強いですが、姫川玲子シリーズ、ジウシリーズに続いての女刑事が登場です。

今回は、警視庁刑事組織犯罪対策課の魚住久江巡査部長が主人公。

40代の女性を主人公に据えた本作は意外でしたが、楽しめました。

殺人が起きてから捜査が始まる一課の仕事とは違い、傷害事件など、死亡者が出る前に事件に携わる事ができる今現在の仕事の方が良いと思う女刑事。

死者が出ない事件でも、複雑な人間関係や思惑などが渦巻き、一筋縄ではいかない事件ばかり。
些細な疑問点や気づいた事をとことんまで追究し、事件の真相に迫る主人公に共感を持ちました。

謙虚だけど、仕事の手は抜かない。
相手の気持ちに立って考える事ができる人。

個人的に、今までのシリーズと比べると、一番この主人公が好きかも。
ぜひシリーズ化を希望します!