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おまえさん㊦<文庫版>

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父親が殺され、瓶屋を仕切ることになった一人娘の史乃。気丈に振る舞う彼女を信之輔は気にかけていた。一方、新兵衛の奉公先だった生薬問屋の当主から明かされた二十年前の因縁と隠された罪。正は負に通じ、負はころりと正に変わる。平四郎の甥っ子・弓之助は絡まった人間関係を解きほぐすことができるのか。『ぼんくら』『日暮らし』に続くシリーズ第3作。


宮部みゆきさんの本です。
 
おまえさんの上巻は奇跡的に地元の図書館で借りる事ができたのですが、下巻はやはり借りられていてなかなか読む事ができずにいました。
じりじりと予約待ちをしながら、今回は文庫版でようやく読む事ができました。
 
上巻の続きの「おまえさん」の続きから。
ちょっと間が空いたので上巻の内容がうろ覚えになってしまっている所もありましたが、読んでいるうちに思い出して来て、続きが気になって気になって、今日は家でずっとこの本を読んでいました。
 
分厚いので、続きが気になると読んでいてもなかなか読み終える事ができないもどかしさといったら(笑)
 
主要メンツは男性陣が多いのだけど、今回は「女」の執念・嫉妬・恋が時に切なく、生々しくも書かれていて、何だか色々と考えさせられました。
 
このシリーズは私が時代小説を読むきっかけになった作品です。
愛すべきキャラクターもそうですが、時代小説ってこんなに面白いんだ!と思える読みやすさ、自分も江戸の町を歩いているような気分にさせられる(情景が思い浮かべられる)んですよね。
 
上巻で書かれていた弓之助が結局平四郎の下で働く事になるのか、商人の道を辿るのかは下巻ではほとんど触れられなかったのが残念ですが、隠し玉を見せてくれましたね。
弓之助の兄さん!
いやー良いキャラです。スピンオフで一本書けると思いますよ(笑)
 
それと、不細工だけどできる男の信之輔。
彼にとっては辛すぎる現実だったかもしれないけど、一回りもふた回りも大きくなりましたよね。
 
脇役では、やっぱりお徳が好きですね。
それと、十徳長屋の丸助さん、感動してしまいましたよ。何かぐっときました。
 
やっぱりこのシリーズ、大好きだなあ。
おでこの恋の行方も気になるところです。
(5点)