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仔羊の巣

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自称ひきこもりの友人、鳥井真一が風邪で寝こんでいたある日、僕、坂木司は同僚から、同期の女性の様子がおかしいと相談を受ける。慣れない探偵役をつとめた僕が導き出した解答は…。また、木村栄三郎さんのもとで出会った男性と地下鉄の駅で見掛けた少年の悩み、そして僕自身に降りかかる悪意の連続、それらの真実を鳥井はどう解明するのか。ひきこもり探偵シリーズ第二弾。


坂木司さんの本です。
 
今回はちゃんとシリーズを順番に読めております。
第一弾では、鳥井と坂木の不健康的な関係があまり理解できずにいました。
 
今回は特に坂木が鳥井に依存している感じが強く出ていましたね。
普段は口が悪くて態度もデカイ鳥井が、こと坂木に絡む事になると精神のバランスを崩して取り乱し、幼児のようになってしまう変貌ぶりは何だかぞっとするほど。
だけど目を逸らしてはいけないと思わされる妙な魅力があります。
 
基本的に登場人物は悪い人はいない、という感じではあったのですが、今回はちょっと間違えたら他人を巻き込んで怪我をさせたり、事故に巻き込んでしまう可能性があったりと、重めの内容が多かったかな。
 
そんな中で、栄三郎さんの家で和菓子とお茶を囲みながら団らん?するシーンは微笑ましく、癒されました。
 
巻末の有栖川有栖さんをはじめ、多くの読者は鳥井を好きになれないのでしょうが、何故か私は嫌いになれない、という少数派です。
 
シリーズは三部作とのこと。
ぜひ読みたいです。
(4点)