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オキシペタルムの庭

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ただ普通に、幸せになりたい――。つきあって2年になる彼との平凡な結婚を夢見ていた莢子が知ってしまった、思いもかけない彼の秘密とは。「女子読み恋愛小説」1位に選ばれた名手が、ふいに奪われた穏やかな日常と、揺れるアラサー女子の姿を等身大に描く。


瀧羽麻子さんの最新刊。
 
瀧羽さんは、「うさぎパン」「左京区七夕通東入ル」「株式会社ネバーラ北関東支社」の頃から自分好みの作家さんだなあと注目しております。
最近書店でも少しずつ推され始めているのを見かけますね。
 
という訳で、何だかとても気になるタイトル。
さりげない品の良さが漂う表紙から、今回はどんな話だろう?とまったく前情報なしに読み始めました。
 
・・・・・・なんでしょう。
ある意味、瀧羽さんにとっての新境地、なのかな。
 
アラサー女子=結婚話
という図式がいい加減定番化してきている気がするけど、リアルにアラサ―未婚女子の私にはちょっと痛すぎて現実的過ぎて・・・何とも複雑な心境でした。
 
しかも、恋人の浮気よりも悩むだろう宗教問題。
きっと後後、家族になっていくにつれ話がもつれたり意見の不一致ですれ違って行くだろうことは想像できるもんな、主人公の決断、恋人の決断はとても切なくあるけど、仕方ない事なのかな。
 
瀧羽さんの文章はとてもさらさらとした爽やかさで読みやすいです。
 
登場人物も、職場の同僚、職場で絡んでくる生徒(甲斐が凄く良いキャラだった!)、恋人、宗教法人代表の夫人――がまあ話に出てくるメインなので、そういった意味でもシンプルで分かりやすく読みやすかったです。
 
ただちょっとですね。
言ってしまえば、今までの瀧羽作品にあった読み心地の良い爽やかさが今回はちょっと現実的な話過ぎて失われていたように思います。
 
青山七恵さんとか、飛鳥井千砂さんあたりが好きな人は好きな作品かと思いますが・・・なんていうんでしょう、一般的に未婚女子の日常を描く小説って実は凄くありふれたものでもあるので、ある意味個性がなくなってしまった感じも受けました。
 
私的には「左京区~」シリーズ?あたりがツボで大好きなんですよね。
今後の瀧羽さんの作品にも注目していきましょう。
(4点)