No-music.No-life

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ナツイロ

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大学のリゾートバイト研究会に所属する田中譲。とある出来事で大学から遠ざかり、住み込みのみかんアルバイターとして、ひとり愛媛へ。1歳下のシンガーソングライターの女子と出会う。次第に彼女のペースに巻き込まれ、アルバム製作の費用を用立てて、一緒に曲作りをすることに。彼女に振りまわされた季節は、それでもやっぱり輝いていた。青春まっただ中の男子と女子の物語。


関口尚さんの本です。
 
文庫書き下ろしで発売していて買おうか迷っていた本。
関口さんは栃木出身で茨城の大学を出ている方なので、作品の中にかなり親近感が湧く地名が出てくることが多いです。
舞台も地方(都市ではなく、田舎)が多いし、私は関口さんの作風が好みなので好きな作家なのです。
 
本作の主人公の実家にまた親近感(笑)
そしてイエスマンで自分の気持ちを主張することができない主人公の押しの弱さにはちょっと苛々してしまうけど、奔放すぎるリンに翻弄される至極真っ当な感情には納得できて不憫に思えるほど。
 
自分もやはり音楽が好きな人間で、必然的に周りに音楽をやっている人が多いです。
オリジナル曲の作詞・作曲作業の行程は見た事はないですが、作詞するって本当に大変なんだなあと思いました。
 
ただ単純に歌詞を書いても、歌にのせるとぱっとしなかったり聞きづらかったり。
また、歌手というのは歌や楽器が上手い、まして見た目が可愛いだけでもダメ。
個性的で聞いた人の心に響く何かがないと売れる事も難しい。
 
リンの奔放さは私には到底理解不能でついていけませんでしたが、音楽を志す女の子の話として読むとなかなか楽しめました。
 
レビューが低めなのは、やはり主人公とリンに感情移入できるか、受け入れらるかによるのかな。
(4点)