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インバウンド

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リストラ女子“電話応対日本一”を目指す!

あなたがかけた通販の電話。沖縄につながってるって知ってましたか?
東京の商社をリストラされた理美は、沖縄に帰る。しかし、働き口はコールセンターしかなかった。いやいや面接に行ったものの、コールセンターの近代的な設備に圧倒され、働くことを決意する。研修がはじまった。役を演じろ、ウイスキーの顔を作れ! など、はじめて聞かされることばかりに戸惑う理美たち。そして、実務につく日がやって来た。クレーマーにおせっかいおばちゃん、かまってちゃんなど、トラブルにてんやわんや。そんな理美が、会社の代表として「電話応対コンクール」に出場することになる! 手に汗握るコンクールの結末は? 果たして理美は、日本一になれるのか?


阿川大樹さんの本です。
 
書店でめぼしい本はないだろうか?と探していた所見つけた本でした。
本格的なコールセンターで働いたことはないのですが、コールセンターのある会社の別部署で働いていた事があります。
なので、その当時の会社でも世界的に有名な会社の日本企業からの仕事として、その会社名を名乗り、電話対応をしていた経験があります。
別部署では、勿論偽名で出ていたし、放棄呼数やインバウンド数などの徹底的な管理、通話時間など詳細に記録していました。
勿論セキュリティもかなり厳しく、この作品の中に出てくるように透明なバックに最低限の私物のみを入れて仕事場に、という感じだったので、その厳重なセキュリティに驚いたものです。

本作の主人公がリストラの間接的な原因になったFAXの送信ミス。
全く別の人に誤って送ってしまったFAXをそちらで破棄してください、などとは言えません。
自分も一度そのミスを犯してしまった事があり、書類をその場所まで取りに行くことになりました(上司が)。
そういった小さなミスで、取引を切られてしまうような、大企業の徹底的な管理体制の中、しっかりとしたフローの元にコールセンター業務はなりたっています。

という訳で、今はコールセンターではないものの、お客様からの問い合わせ窓口業務を行っている身としては、もう少しコールセンターの中の話を取り入れて欲しかったなあと思ったのも正直なところ。
思ったよりコールセンター経験者には目新しい情報がなかったことと、リストラされて故郷の沖縄に帰ってきた主人公のサクセスストーリーともいう、順調に物事が運んで行く感じだったので、もう少し波乱万丈でも良いのでは?と思ってしまったり。
とはいえ、電話応対に対する姿勢や、主人公のように電話の応対相手に対しての接し方、気持ちなどは見習わねば、と思う所も多々ありました。
読みやすいのですいすい読めますし、インバウンドとはなんぞや?という人には興味深いかもしれませんね。

ちなみに、インバウンドは電話を受けること、逆にアウトバウンドはこちらから電話をかけることです。
事務職から転職した時、専門用語が全然分からなくて苦戦したのを懐かしく思い出しました(笑)。
(4点)