①厄日の始まり
ああ、クソ!被ったか。
オヤジより私が前に行ければ何の問題もなかった。
毎日の日課で、そしてオヤジは排水溝に煙草の吸殻を投げ捨てた。
②うるさいんだよ、若者よ。
ホームで、地元の電車を待っている。
連休明けのだらけた雰囲気。
若干お疲れ気味の社会人の人混みの中で、一種異様なテンションを保っているのは高校生。
若干お疲れ気味の社会人の人混みの中で、一種異様なテンションを保っているのは高校生。
朝から何でそんなに元気なんだ。
うるさい、黙れ。
無言の一瞥を投げつける。
乗り換えの電車で、いつもはいない3人組の社会人数年目くらいの若者と1年目の若造が乗り込んできた。
終わった――
私は悟る。
途中の駅からうるさくなることは分かっているが、この駅から既にうるさい人間がいるとなると、もう今日は眠れないだろう。
途中の駅からうるさくなることは分かっているが、この駅から既にうるさい人間がいるとなると、もう今日は眠れないだろう。
昨日は遠出をしたから疲れている。眠りたかったのだが、当然の如く静かな車内に若造達の声は響き渡る。
しかも、声がでかい。
しかも、声がでかい。
社会人数年目の若者は、1年目の若造に尤もらしく何かを語り続けていた。
うるさい。眠れない。いい加減にしてくれ。
③止まる
乗り換えてから、20分後。
某駅の手前。
某駅の手前。
いつもはない車内放送が前触れもなく始まった。
8時少し前だった。
ちょっと止まるだけなら間に合うかも、と期待した気持ちはすぐにしぼむ。
ちょっと止まるだけなら間に合うかも、と期待した気持ちはすぐにしぼむ。
「しばらくの間、停車いたします」
というアナウンスは、無情にも乗客の3分の2以上を宇都宮線へと促す。
④第二の悲劇
京浜東北線のホーム。
やけに多い人の波。
まさか。
まさか。
「横須賀線内の車輌点検の影響で、大宮~蒲田間を通常の●割程度で運転しております」
蒲田~鶴見だがそのへんが、運転見合わせとなっているらしい。
私は仕方なく再び宇都宮線に乗り込む決意をする。
⑤わざとか?
その前に、明らかに会社の始業時間に間に合わないと悟った私は、会社に電話をかけることにした。
1コール目。
「おはようございます。●●(部署)のすきま風ですが、●●さんはいらっしゃってますか?」
「おはようございます。今変わりますんで、少々お待ち下さい」
保留・・・
プープープーッ・・・
切れた!
保留、間違えたんですよね。仕方ない。
2コール目。
同じ人が出た。
「あ、すいません。さっき切れちゃいましたね。ちょっとお待ち下さい」
保留音・・・
プープープーッ・・・
き、切れた!
っていうか、切られた?!わざとですか?!わざとなんですか?
一種の嫌がらせですか?
一種の嫌がらせですか?
3コール目。
同じ人が出た。
「すいません、何度も。今変わりますね」
そして・・・
⑥三度目の悲劇
とりあえず、赤羽まで辿り着く。
結局いつものコースで会社まで行こうとしたのだが・・・
結局いつものコースで会社まで行こうとしたのだが・・・
さっきまで動いていなかったはずの東京方面、ガンガン電車きてるじゃねえか。
むしろ大宮方面の電車が「各駅に停車している状態ですので、発車見込みのメドはたっていません」の一点張り。
赤羽でしばし停車。
いつもならば行きの電車は座って寝ているはずだったのに、途中駅で乗り換えさせられたせいで、この時点で2時間以上ほぼ立ちっぱなし状態が続いていた。
しかも、借りていた本を返却するために持っていた単行本2冊と読んでいた単行本1冊。更にお土産など諸々を持っていたので、相当荷物は重い。
何の嫌がらせなのか。
⑦ほぼ、3時間
結局会社に到着したのは、10時少し前。
ほぼ3時間かけての通勤となったのであった。
ほぼ3時間かけての通勤となったのであった。
ついていないと思うと、その後も全て悪い事尽くしでやりきれない。
そして今日の悪い事の締めは・・・
今日は、色々あって一方的に嫌われた友人の誕生日なのである。
私は怖くて、あの一件以来メールも電話もしていないのだ。
何で怖いのか?
もしかしたら、拒否されているのではないか?そう思ったからだ。
何で怖いのか?
もしかしたら、拒否されているのではないか?そう思ったからだ。
送ったメールは返ってくるかもしれない。
電話は拒否されているのかもしれない。
電話は拒否されているのかもしれない。
それでも、誕生日のメールは送ろうとずっと決めていた。
それが、どんな結果になろうとも。
怖いけれど、これからメールを作って送るつもりだ。
このメールが届かなかったら、厄日の締めくくりとしては最高のエンディングになるのだろう。
嗚呼、やりきれない。