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贖罪の奏鳴曲(ソナタ)

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弁護士・御子柴礼司は、ある晩、記者の死体を遺棄した。死体を調べた警察は、御子柴に辿りつき事情を聴く。だが、彼には死亡推定時刻は法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」があった―。


中山七里さんの本です。
 
面白かった!!
 
男――御子柴が死体を遺棄する場面から物語は始まります。
そして過去にも人を殺めた事があるという意味深な一文。
そんな男の職業は弁護士。
 
御子柴が弁護を担当することになった妻による夫殺しの事件。
御子柴が手にかけた死体の犯人を追う刑事。
その中で御子柴の過去が明らかになっていく――
 
一度大きな罪を犯した人間が更生することはできるのか?
人間ドラマと、殺人事件の犯人は一体誰なのか?そして妻が殺意を持って夫を殺したと世間的にも思われている事件の真相は?
 
ラスト、二転三転する事実に何度も驚かされました。
 
最初は御子柴がかなり腹黒い人間にしか見えないのですが、第三章の少年院に収容されていた時代の御子柴の過去の話から、急に人間味を帯びてきて物語にぐいぐい引き込まれていきました。
 
担当教官やピアノ少女との絡みが意外とあっさり終わってしまったのは残念でしたが、読み応え十分な本作でした。
 
中山さん、本当に色々な作風の話を書いていて凄いです!
(4.5点)