悪徳は輪舞曲のように同じ旋律を繰り返すのか――
14歳で殺人を犯した悪辣弁護士・御子柴礼司を妹・梓が30年ぶりに訪れ、母・郁美の弁護を依頼する。
郁美は、再婚した夫を自殺に見せかけて殺害した容疑で逮捕されたという。接見した御子柴に対し、郁美は容疑を否認。名を変え、過去を捨てた御子柴は、肉親とどう向き合うのか、
そして母も殺人者なのか?
中山七里さんの御子柴シリーズ最新刊。
冒頭から罪を告白したようなもの、という展開があるのですが、いけしゃあしゃあと容疑を否認しおってーと思いながら読んでいると、やはりそこは中山さん、一筋縄ではいきませんでした。
あーまさかこれは・・・と思い、改めて冒頭の数ページを読み直したくなる衝動にかられ（読んでないけど）、そういうことだったのか・・・！とはっとしました。
罪を犯した御子柴を生んだ実の母親との再会。
同じく殺人を犯したという母親の無実を証明するべく弁護にあたるも、いつもの冷静沈着な御子柴の姿はどこへやら。
ペースを乱され、自分の生まれ故郷を訪れる事になったりと、順調にはいきません。
最後の母親の告白を聞き、御子柴はどう感じたのでしょうかね・・・
身勝手な罪を犯し、その身内たちが御子柴のせいで人生をめちゃめちゃにされたことを、自分のせいではなくお前が悪いというようにしか感じられないところが怖いところでもありますが・・・
今後も続くと思うので、御子柴が変わっていくのかそうではないのかを追い続けていきたいと思います。
（4点）
