巷を騒がす西成ストーカー殺人事件を担当している、大阪地検一級検事の不破俊太郎と新米検察事務官の惣領美晴。どんな圧力にも流されず、一ミリも表情筋を動かすことのない不破は、陰で能面と呼ばれている。自らの流儀に則って調べを進めるなかで、容疑者のアリバイは証明され、さらには捜査資料の一部が紛失していることが発覚。やがて事態は大阪府警全体を揺るがす一大スキャンダルへと発展し―警察内から裏切りと揶揄される不破の運命は、そしてストーカー事件の思いもよらぬ真相とは―大阪地検一級検事・不破俊太郎。孤立上等、抜き身の刀、完全無欠の司法マシンが、大阪府警の暗部を暴く!
中山七里さんの本です。
ほぼ外れがないと思っている作家さんですが、今回は少し入りこみづらい印象でした。
能面と評される検事の下、事務官として働く事になった主人公が、事件に関係した被疑者を相手に一つ一つのストーリーが展開されていきます。
当たり前の事ですが、程度の差こそあれ「事件」に関係した人間と向きあうということは、どれも重い話でもありました。
警察の見込み捜査で冤罪事件となりえたものも、検事がしっかりと真実を見極めて罪を与えるべく犯人をしっかりと裁いていく。
警察や弁護士と比べてスポットが当たりにくい存在のイメージですが、検事の仕事というのは奥が深いと感じた話でした。
読み終えてみればなかなか楽しめたので、シリーズ化したらまた読んでみたいと思いました。
（4点）
