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その鏡は嘘をつく

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エリート医師が、鏡に囲まれた部屋で自殺した。その後、医学部受験を控えた一人の青年が失踪した。正義感に溢れる検事・志藤清正は、現場の状況から他殺の可能性を見破り、独自に捜査を進める。その頃、東池袋所の刑事・夏目信人は池袋の町を歩き、小さな手がかりを見つめていた。二転三転する証言のなかで、検事と刑事の推理が交錯する。


薬丸岳さんの夏目刑事シリーズ第二弾。

前作が短編だったこともあり、様々な視点で進んでいくストーリー展開に慣れず、序盤は若干混乱してしまいました。

この人も怪しい、いやこの人も・・・読み進めていくうちに、夏目刑事が追っていた事件がここに繋がっているとは・・・!という驚きに変わりました。

親が医者であるということは、子供も医者になるのが当然という環境にならざるを得ない。
んな中、どうしても結果を出せず苦しむ子供や、プレッシャーに押しつぶされてしまう子供がいたり、実力はあっても経済的にあきらめざるを得ない子がいたりと過酷な環境・・・

自分には全く無縁の世界だからこそ、この世界の辛さが読んでいてちくちく刺さりました。

個人的には前作の方が読みやすかったなという印象。
短編の方が良いかもですね。

ただ、夏目刑事のキャラは好感しかないので次作も楽しみに読みたいと思います。
(3.5点)