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いとみち

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高校一年生の「相馬いと」は、ちっこくて人見知りで極度の泣き虫。三味線には自信があるけれど、濃厚すぎる津軽弁が劣等感(コンプレックス)で、コミュニケーションが大の苦手。今年、人生史上、最大の冒険始めます。本州最北端のメイドカフェでアルバイト開始! ああでも、やっぱす、わぁには無理だぁ! 津軽の夏、グルーヴィンな青春小説!


越谷オサムさんの本です。
 
新聞の広告欄で見かけ、気になっていた越谷さんの最新作。
メイド服で三味線?!
読むまでそんな設定とはつゆ知らず、読んでみてびっくり。
 
「おがえりなさいませ、ごスずん様」
 
メイドなのに(かなりの)津軽訛り、極度の上がり症、コミュニケーションが苦手、三味線はそこそこの大会で賞を取れるくらいの実力はあるけれど、ある事をきっかけに練習することさえしなくなり、おまけにドジっ子――
 
申し訳ないけれど、このドジっ子いとちゃんに思わず笑ってしまいました。
だって、メイド喫茶メイドさんなのに、「お帰りなさいませ、ご主人様」が言えないどころか、オムライスにケチャップで絵を書く事も、単純に転ばずに歩く事すらもできないんですもの!
 
コミュニケーションが苦手だからと、相当な決意を込めてバイトをしようと決めたのは分かるけれども、何故にメイド喫茶だったのかいとちゃん!
子持ちで20代前半と年齢を偽って働く幸子、漫画家を目指しながら二足のわらじ生活をするスタイル抜群の智美。青森では珍しい標準語を話す店長と、トドに似たやり手のオーナー。
 
個性豊かな店の仲間との交流、メイド喫茶での慣れない接客の経験を経て、少しずつ学校の友達とも打ち解けてくるいと。
前半では、ただの後ろ向きでなんにもできないダメっ子だったはずのいとですが、後半では見違えるほどになっています。
 
強烈な津軽訛りのやりとりが続き、思わず笑ってしまいながら、それでも何事にも一所懸命ないとの姿が時々感動をもたらし、そして何だか凄く元気をもらえた作品でした。
 
青森好きなので、ついつい青森ひいきでみてしまうのですが・・・こんなメイド喫茶があったら一度は行ってみたいかも。
いとはドジっ子で訛りもあって、そこがある意味でコアなファンには受けがよさそうです(笑)