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青森ドロップキッカーズ

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いじめられっ子の中学生・宏海と、中途半端な不良の雄大。そしてトップを目指して氷上で闘うアスリート姉妹、柚香と陽香…。見た目もキャラもまったく違う凸凹な4人が、カーリングホールで巻き起こす、このうえなく爽快で泣ける青春小説の決定版。




森沢明夫さんの最新刊です。

森沢さんと言えば、「海を抱いたビー玉」「津軽百年食堂」とどちらも素敵な作品だったので、今回もとても期待していました。

タイミングが良いというか、タイムリーというか、
今季のオリンピックで一躍有名になったカーリングを題材にした話であります。


前作、「津軽百年~」と同様に、舞台は青森。

いじめられっ子の中学生の男の子・宏海と、姉妹でカーリングに携わっている、姉の柚香の語りで物語は進行していきます。




いじめられっ子の宏海は、小学校まで親友だった雄大が、いじめこそしないもののいじめっ子側のグループにいることに惨めさを感じながらも、いじめっ子達に反撃も出来ずびくびくしてばかり。

しかしとあるきっかけで、カーリングと出会ってから世界が変わった。

今まで登録されることのなかった、携帯のアドレス帳に、大学生のお兄さんやお姉さんの名前が加わり、何よりアスリートである美人姉妹の柚香と陽香と親しくなり、カーリングの指導をしてもらえるようになったのだ。

学校に通う日々はとても辛いけれど、カーリングの事を考えるだけで我慢できる。

しかし、姉妹からもらったカーリングのブラシを、いじめっ子達に折られてしまう。
悔しくてやりきれなくて、とうとう反撃を試みた宏海だったが・・・


そして、チームとして大会制覇に挑もうとしている姉妹。

実力派のゴールデンコンビとチームを結成することが決まり、これまで一緒に戦ってきたチームメイトへチーム解散の話をした途端、関係は悪化。

しかも、ゴールデンコンビとは何処かぎくしゃくしたままで、上手くいかない。

持ち前の大らかで相手をハートの目にしてしまうくらい、キュートな笑顔を持った妹の陽香に助けられながらも、どうしても上手くいかない事ばかりで、どんどん悩んでしまう姉の柚香だったが・・・




さりげなく、「津軽百年食堂」の陽一と七海が出てきていたり、相変わらずサービス精神旺盛の森沢さん。

状況は重い内容であっても、最後には必ず前向きに、心がほっこりと温まる物語を書いてくれる方です。
やっぱり本作も良かった!!!


ただ、今季オリンピックでも・・・どうしてもカーリングの面白さを理解できなかったつまらない人間の私には、少しばかり序盤のカーリングの説明でついていけない部分がありました。

でも、カーリングの面白さに目覚めてしまった人には、ぜひとも読んで損はないはず!

カーリングの話はとりあえず置いておいても、物語としてとても良い作品であることには変わらないので、ぜひぜひ一度読んでみて下さい!


今回も相変わらず装丁が素敵です。


森沢さん、やっぱり最高です!


どうでも良い話ですが・・・
私、青森好きなんですよね。。

なんかよく分からないけど、甲子園は青森応援しますからね。地元を差し置いて(笑)
なんていうか、青森の人はあったかいです。

春の弘前に、本気で行ってみたくなります。
実はずっと気になっていたんで、機会があったら絶対行ってみたいですね。
その気持ちを再確認した作品でした。