内向的な少年・瀬尾太一、乱暴者でクラスの王様・大江和真は、関西弁の転校生「てつじん」のペースに巻き込まれてしまう。クラスの秀才やシッカリ者の学級委員も一緒に、町で頻発していた通り魔事件の犯人を追うことになり…。
山下貴光さんの本です。
「屋上ミサイル」のような少年少女達の青春が、ぐっと広まったような感じの本作でした。
今回の主役たちは、小学6年生の男の子と女の子。
クラスの王様として君臨していた和馬と、内気で目立たない児童だった太一の運命が、関西弁の転校生「鉄人」によって、ガラリと変わる。
そこに巻き込まれて友達になった、クラス一の秀才義之と男勝りの千秋も加わり、やがて世間を騒がせている通り魔犯を追う事になり――
うーん・・・・良い線いってるんだけどなあ。
という惜しいなあという感じでした。
という惜しいなあという感じでした。
私は結構山下さんの作品は嫌いではないと思っているのですが、どうしても前作「屋上ミサイル」同様に伊坂幸太郎さんにかなり影響を受けたんだな、という感じが滲み出してしまっていますね。。
だからどうも二番煎じの感じを受けてしまうし、じゃあミステリ作品としてはどうだろう?と問われると、私でさえも「この人が怪しいな」と思えてしまうくらいに伏線が甘い気がするんですよね。
中途半端・・・というか。
中途半端・・・というか。
けれども、山下さんの描く少年少女達、好きです。
特にこの関西弁の転校生・鉄人(あだ名はそのまま「てつじん」!)が良いです。
クラスの王様だった和馬や、おとなしくて目立たなかった太一、クールな秀才義之と、男子を目の敵にしていた男勝りな千秋が、少しずつ(鉄人のペースに乗せられて?)変わっていく様はとても爽快。
千秋の家庭の事情を知り、戦おうと挑んだ義之や仲間達に対しては・・・うーん、ちょっと実際にはそれが良い判断だったのかは疑問ではありますが、友情とは何かを問いかけてくれる作品だったと思います。
女の子の千秋はいるんだけども、男同士の熱い友情をうらやましく思う自分がいました。
また、見た目は怖そうな兄ちゃんや歳の離れたお兄さん達との垣根を越えて、広く深く友情を築ける鉄人の奔放さと魅力にやられましたね!
鉄人、多分大人になったらめちゃくちゃもてそうです(笑)