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虹の岬の喫茶店

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トンネルを抜けたら、ガードレールの切れ目をすぐ左折。雑草の生える荒地を進むと、小さな岬の先端に、ふいに喫茶店が現れる。そこには、とびきりおいしいコーヒーとお客さんの人生にそっと寄り添うような音楽を選曲してくれるおばあさんがいた。彼女は一人で喫茶店を切り盛りしながら、ときおり窓から海を眺め、何かを待ち続けていた。その喫茶店に引き寄せられるように集まる人々―妻をなくしたばかりの夫と幼い娘、卒業後の進路に悩む男子大学生、やむにやまれぬ事情で喫茶店へ盗みに入った泥棒など―心に傷を抱えた彼らの人生は、その喫茶店とおばあさんとの出逢いで、変化し始める。心がやわらかさを取り戻す、感涙の長編小説。


森沢明夫さんの本です。
 
津軽百年食堂」「青森ドロップキッカーズ」「海を抱いたビー玉」などなど、森沢さんの温かみのある作品は素敵なものばかりですが、今回もほっこりと温かい気持ちにさせてくれる物語でした。
 
森沢さんの良さって、多分この文章にあると思うのですよね。
物凄く上手いっていう訳ではないけど、丁寧に分かりやすく、シンプルだけどきちんと読みやすい文章を書いているのが全力で伝わってくるのです。
そして、登場人物の誰もが愛すべきキャラクターな訳です。
悪い事ばかり起こってどん底に沈んでいるような状態でも、現実的ではないかもしれないけれども、必ず光を導いてくれる結末に持って来てくれるところとか、凄く好き。
 
しかもこの喫茶店
実在するのだそうです!
空想の物語と思っていただけに、何だかそれを聞いてうわー!って嬉しい気持ちになりました。
この小説を読む限り、かなり分かりにくい場所にあるなあと思うので、行くのも難しそうですが・・・機会があったら一度訪れてみたいなあ。
 
「喫茶岬」
千葉県、JR内房線浜金谷駅から徒歩20分。車は(高速は館山自動車道鋸南保田ICが最寄り)国道127号線、明鐘トンネルを抜けてすぐ左。鋸山(日本寺)そば。