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窓際の死神(アンクー)

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死神(アンクー)の姿を見ると、自分か、その愛する人が死ぬという―。OLの多美は、恋敵が死ぬ夢想にとりつかれ、自分を嫌悪している。ふとしたきっかけで、総務部の窓際主任・島野に相談してみると、彼は、その夢想は予知なのだと説き、そして自分はこれから死ぬ誰かを黄泉へとおくる死神なのだと言い出した。おとぎばなしをモチーフに、現代女性の心の闇を描く感動的ミステリー。


柴田よしきさんの本です。
 
私、思いこみで貫井徳郎さんと柴田よしきさんが被ってしまっていて。
貫井さんの本を借りたつもりでいたのですが、柴田さんの作品でした。
「観覧車」の人、割と有名な作家というイメージが先行して手を出せなかった作家さん。
ただ、借りてみて多分アンソロジーとかでは読んだ事があったのかもしれませんが、読みやすくて結果的に面白く読めました。
 
自分もしがない会社勤めの会社員であり、何となくい将来の展望が見えなくて悶々としている二人の女性に感情移入してしまったのもあるかな。
年齢的にも比較的近いというのもあったし。
 
そして、死神もの、というと「デスノート」とか伊坂幸太郎さんの「死神の精度」とかが浮かんでしまうのですが、この作品はどちらかというと、死神っぽくなさは伊坂さんの作品に近いかも。
死を予言し不穏なものを運ぶというものは一緒ですが、中年の窓際主任の見た目と他人に害を与えなそうな人という点では凄く意外かもしれません。
 
昔話(おむすびころりん、したきりすずめ)をモチーフにした中編二編。
欲を言うならばもっと読みたかったな、という印象でしょうか。
 
個人的には楽しく読めました。満足満足。