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崩れる 結婚にまつわる八つの風景

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こんな生活、もう我慢できない…。自堕落な夫と身勝手な息子に翻弄される主婦の救いのない日々。昔、捨てた女が新婚家庭にかけてきた電話。突然、高校時代の友人から招待された披露宴。公園デビューした若い母親を苦しめる得体の知れない知人。マンションの隣室から臭う腐臭…。平穏な日常にひそむ狂気と恐怖を描きだす八編。平凡で幸せな結婚や家庭に退屈しているあなたへ贈る傑作短編集。


貫井徳郎さんの本です。


貫井さんは、文章の旨さや読みやすさから興味を持って何作か読みはじめたくらいなので、まだまだ読んだ冊数は少ないです。
本作は結婚に伴う短編集でしたが、どれも上手い!

とにかく、ぞっとしたりはっとしたり、どの作品もかなりインパクトがあり、読んだ後に強烈な印象を残すのです。
どちらかと言えば、ダークで重い話ばかりですが、私好みでした。
1997年刊行なのに、古くささがないどころか、幼児虐待やストーカーなど、時代の先取りをしたテーマがあったり興味深かったです。
「追われる」「誘われる」が特に印象的でした。

面白かったです!
ただ、あまりにもリアル過ぎてますます結婚から遠ざかっていきそうな気がしました。
結婚してもこんな色々面倒があるのなら・・・みたいな気持ちです(笑)
それくらいリアルな描写に感心してしまいました。女性心理が女の私が読んでいても違和感がないくらい、よく描かれていました。