No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

ニキの屈辱

イメージ 1
 
人気写真家ニキのアシスタントになったオレ。1歳下の傲慢な彼女に、心ひかれたオレは、公私ともに振り回されて……。恋がもたらした痛恨の一撃を描く『人のセックスを笑うな』以来の、待望の恋愛小説!


山崎ナオコーラさんの本です。
 
ナオコーラさん!
やっぱりあなたは恋愛小説が一番良いよ!
と久しぶりに凄く良かったので興奮しています(笑)
 
人のセックスを笑うな」の初心に返った感じとでもいいましょうか。
 
淡々としているのに、読後感のこの何とも物悲しい余韻は何?!
これぞ、ナオコーラマジック!
 
新刊で購入するのは躊躇うけど、古本屋さんに文庫が売っていたら買っちゃうかも、というくらいには良いです。
そもそも面白くなければ古本でも買おうとは思わないから。
 
 
写真家のニキとそのアシスタントとなった加賀美との物語。
淡々と、本当に日常生活が進んで行くだけ。
そこでテンポの良い会話がポンポンと続いて、いつしかニキと加賀美の恋愛が始まって・・・
恋の始まりから、劇的な何かがないけれども唐突に終わる儚い恋。
お互いに嫌い合っているどころか、大好きだったと言えるような関係なのに、もうあの頃には戻れないとはっきりと自覚している二人が切なくてたまらなかったです。
 
何が良いって、ニキが可愛すぎました。
若くしてデビューした写真家のニキ。
女の子扱いされるのが嫌いで、アシスタントの加賀美を下僕のように扱っていたのに、恋愛関係になった瞬間、ツンデレになるところ!
こういう子、ヤバいですねー。可愛すぎました。
 
そして今時の男子らしく、しばらく会わない期間が続いた瞬間に「一人は楽、楽しい」と実感し、逆にそこで仕事の意欲を燃やし始めて、且つ写真家として少しずつ成功する加賀美。
お互いの好きの大きさが変わった瞬間、あんなにお互いに大切にしあっていた関係が、一瞬にして壊れてしまう。
分かりますかねえ。この感じ!
 
久々にきゅーん!としてしまいました。
 
余談ですが、この本の表紙の女の子があっちゃんに見えて仕方がありません。違うみたいですけど。
似てませんか?