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ギャングエイジ

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えっ、前の先生は失踪したんですか!?
突然、小学校三年生の担任をすることになった日野晃道(ひの・あきみち)。引き継ぎらしいものもないまま、いきなりの赴任。聞けば、晃道が受け持つ三年生は、前年に学級崩壊を起こし、問題視されている学年だった。そのときの先生は失踪したという。新人の晃道を手助けすると言ってくれた校長は、飄々(ひょうひょう)としていて、どこか頼りない。それでも、憧れの「教師」という職に就いた晃道は、まっすぐな気持ちを胸に児童たちとぶつかっていく。「てるてる先生」という愛称も子どもたちからもらい、教師になった悦びを実感する晃道。ところが、はじめはうまくいくように思えた学級も、徐々に乱れはじめてしまう。さらには、児童たちの親との問題も持ち上がってしまい……。


川端裕人さんの本です。

 
書店で気になっていた本だったのだと思います。予約していたのも忘れていたくらい(笑)
川端さんは初めて読んだのですが、少し読みにくいかなと思う部分もあるけど、とにかく描写が丁寧で読み手を意識して書いてくれている、親切な書き方というか・・・温かみのある文章が好感を持てました。
 
ギャングエイジって何?
――排他的な遊び仲間を求める児童期のことを指す、って何かよく分からないですが・・・。
 
今時の学校・先生・保護者の関係って、こんなに面倒で複雑になっちゃったんだなー・・・・というのが最初に感じた感想でしょうか。
 
学級崩壊を起こして先生が不登校になり、新任の先生は敵前逃亡を図り、急遽欠員を埋める形で採用された教師一年目の晃道。
教師を志すきっかけになった恩師の教えを胸に、若さと勢いで手探りながらも三年のクラスを担任することになった晃道ですが、背後に昨年の学級崩壊の悪い影響や、影響力のあり過ぎる地域の権力者、保護者達と癖のある先生と様々な問題を抱えた児童達と接する日々は一筋縄ではいきません。
 
小学3年生なんで、まだまだ子供だし扱いやすそうじゃない?と思うけど、今時の子って・・・・本当に大変そう。
何より今はモンスターペアレントの保護者もゴロゴロいるのだろうし。
 
でも確かに、社会人としても教師としても一年目の若造に担任をもたれたら、大事な子供を預けている親からしたら心配で心配で仕方がないのかもしれないけどね。
 
とはいえ、私が小学生だった頃とは大分変ったんだなあーと昔を思いながらつくづく主人公に同情しつつ、それでも児童の真っすぐで素直なところに救われたりするのでした。
 
それにしても・・・結局、事を荒げたり問題をかき乱しているのって、結局保護者じゃね?!とこの本を読んでいて思ってしまいました。
 
家庭の問題が学校にも出ている訳で、そしてその問題を学校側に責任転嫁しているようにしか思えなかったんですよね。子供を大切にし過ぎるあまりに、見えなくなってしまう部分があるのかな・・・。
 
ともあれ、一年間を通して描かれる物語のラストは爽快感で一杯です。
なかなか面白い一冊でした。