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プロメテウスの涙

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激しい発作に襲われる少女・あや香。米国の医療刑務所で、終わりなき地獄の責め苦を受ける不死の死刑囚。時空を超えて二人をつなぐ運命の桎梏とは。


乾ルカさんの本です。
 
とりあえず、この作品で既刊の乾さんの作品は全制覇した模様。
 
あー何だろう。
怖いのに見たい、気になるけど見たくない、みたいな・・・不思議な中毒性のある作品だった気がします。
 
作品としては4.5点をあげたい力作でしたが、かと言ってもう一回読むにはいかんせんグロテスクというか、ホラー的というか、怖いんですよ、何だろうこれ。
 
柚月裕子さんの「臨床真理」や、沼田まほかるさんの「九月が永遠に続けば」あたりが好きな人はこの作品も間違いなく好きだと思います。
ミステリというよりもホラーが強いかもしれないですね。
 
医師同士の親友である女性二人の視点から、物語が展開されていきます。
何をしても決して死ぬことがない死刑囚と関わることになった祐美。
病名の判明しない奇怪な症状に襲われる女児を診察することになった涼子。
 
符合するいくつかのキーワード。
関連性などないと思っていた二人の患者は、いつしか奇妙な符号を見せ始め――


初期の頃の乾さんのこういう何とも言えない中毒性を含んだおどろおどろしい作品も結構好きだったり。
 
今後も楽しみな作家さんであります。