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空中ブランコ

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傑作『イン・ザ・プール』から二年。伊良部ふたたび!
人間不信のサーカス団員、尖端恐怖症のやくざ、ノーコン病のプロ野球選手。困り果てた末に病院を訪ねてみれば…。ここはどこ?なんでこうなるの?怪作『イン・ザ・プール』から二年。トンデモ精神科医・伊良部が再び暴れ出す。


奥田英朗さんの本です。
「伊良部」シリーズ(?)の第二作。
 
これは確か直木賞受賞作ですよね。
へー直木賞ってこういう作品でも受賞するんですねー、と何だかびっくりでした。
悪い意味ではなくてですね、直木賞って芥川賞に比べると「純文学」というか、固くて真面目な本が受賞しているというイメージが凄くあって。
このぶっ飛んだ精神科医・伊良部シリーズで受賞ということは、何だかとても良い事だと思います(笑)
今までの歴史に風穴を開け、新しい歴史を取り入れる的な。
 
本作も連作短編になっており、とても読みやすいです。
 
相変わらずぶっ飛んでる伊良部医師。
で、その伊良部の元を訪れる患者たちは、人に相談するのも恥ずかしい奇病や原因不明の病状に悩まされている。
一見笑い話でさらっと読めてしまうところだけれど、実はとても奥が深い。
 
精神的な圧迫や不安・悩みから、人間というのは想像もできない奇妙な病状を見せる事があるけれど、この各短編の中の患者の病状、笑い事では済ますことができない感じなんですよね。
 
私も結局何件か病院をはしごしても解決しない症状があり、最終的に心療内科を薦められたのですが・・・結局一度も足を運んだ事がありません。
 
日本の精神科というのは、どうしてこんなにイメージが悪く、行きづらいのでしょう。
 
そういった意味でも、伊良部みたいな医師は一人くらいいても良いのかもしれない、なんてことを思うのです。
まあ、人間として(大人として)どうかと思う部分は多々ありますが(笑)