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洋菓子店コアンドル

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8年前、突然スイーツ界から姿を消した十村は有名店からの誘いを断り続け、伝説のパティシエと呼ばれた腕前を披露することはなかった。一方、鹿児島でケーキ屋の娘として腕を振るっていたなつめが恋人を追い掛けて上京し、ひょんなことからスイーツ激戦区の東京で大評判の有名洋菓子店で十村と出会う。


監督:深川栄洋


という訳で、完全に蒼井優目当てで見に行って参りました。
昨年蒼井優目当てで見た「雷桜」以来の、俳優目当てで見る映画でございます。
 
感想としては、「悪くないが、飛びぬけて良くもない」といった感じでしょうか・・・。
ただ、前回の白夜行の監督さんでもある深川さん、丁寧な撮り方は嫌いではないなあと改めて思いましたが。
 
話の展開やエピソードは、かなりありがちな感じです。
有名パティシエが辞めた理由であるとか、恋人を追いかけて上京してきて恋人に振られてしまうとか。
 
ただ、それにあまりあるこの映画の良いところは、とにかくタイトルからも分かる通り、登場するスイーツがどれも美味しそうだということです(まあ、ナツメが初めてコアンドルに来た日に作ったケーキは微妙でしたが・笑)。
まあ美味しそうじゃなかったらこのタイトルの映画としても成り立たないとは思いますがね。
 
でも、「食べると人を笑顔にする」ケーキを作る事ができるなんて、本当に凄い事ですよね。
甘い物を食べると自然と笑顔になってしまうのは、自分自身にも覚えがありますけど、晩さん会で外国人の可愛い女の子が出された料理を全然食べなくて仏頂面だったのに、スイーツを食べたら自然と笑顔がこぼれるシーンは印象的でした。
 
そして何よりこの映画、出演している女優たちが皆素晴らしい。
言わずもがな、蒼井優が泣かせます。
蒼井優大好き人間なので、贔屓目で見ている部分はあるかもしれません。
が、蒼井優が泣きながら演技をしているシーンで二回程泣かせていただきました。
 
本作は鹿児島弁バリバリで訛りの激しい(おまけに気性も激しい)女の子の役です。
人のセックスを笑うな」の役なみに叫んで暴れて、破天荒なキャラは「亀は意外と速く泳ぐ」にも通じるものがあるかも(笑)
とにかく怒って叫ぶシーンが多い多い。
だけど、ふと見せる心細い表情やすうっと流す涙には思わずもらい泣き。
ケーキを作る時の真剣な表情。
ころころと変わるナツメの表情は、観る者に訴えかけてくるものがあります。
随所に見られる森ガール的ファッションも可愛い。
ジーンズでも女の子はこんなに可愛くなれるんですぜ!と関係ないって(笑)
ふわふわの長い黒髪を、一つにぐっとくくって仕事モードに切り替わる瞬間のシーンが印象的です。
 
で、この映画の裏主役だと断言したいですが、江口のりこさんがとにかくインパクトがあります。
元々キツイ顔立ちをされているのに、ナツメに対する敵意むき出しの攻撃シーンは怖い(笑)
だけど、独立?の話を持ちかけられて揺れたり、できないくせに文句ばかり言うナツメに苛立ったりするのは、もっともであります。
一番全うな人間ですよね。
凄い存在感がある方だなあと。
ドラマで初めて見てから、かなり印象に残っていましたが、本作ではかなり目立っておりますよー。
 
加賀まりこさん、戸田恵子さん、佐々木すみ江さん、またこのベテラン陣も上手いんですよね。
主役を邪魔し過ぎない控え目ながらも、だけどしっかりと印象を残す方々。
とにかく女性陣が上手いです。
 
で、肝心の江口さんはというと。。
今期のドラマ「スクール」を見ている人は、観ない方が良いかも・・・
 
個人的に「スクール」は結構面白いと思うんですけど、熱血先生みたいな印象があるだけに、過去に捉われて哀愁漂ってる背中を見せる江口さんに違和感があったり・・・
というか、観終わって印象に残ってないんですよね。
江口さんは江口さんでも、江口のりこさんの印象の方が強かったりするっていう・・・はい。


予告だけ見ると、田舎から出てきた素人娘にパティシエなんてできるか!って思うかもしれませんが、ナツメの実家はケーキ屋さんであり、ケーキ屋の娘らしいですよ。
ちょっとほっとしたような・・・。
 
ケーキがあまりにも美味しそうなので、映画を見終わった後に思わずパフェを食べてしまった私でした。