No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

トーキョー・クロスロード

イメージ 1
 
別人に変装して、ダーツにあたった山手線の駅で降りてみる。これが休日の栞の密かな趣味。そこで出会ったかつての同級生、耕也となぜか縁がきれなくて…。素直になれない二人をジャズ喫茶のバンドマン、一児の母、辛口の秀才、甘えん坊の美少女(すべて高校生!)が支える。「東京」という街の中ですれ違う人間関係が静かなジャズの音にのせて描かれる極上の青春小説。第25回坪田譲治文学賞受賞。


濱野京子さんの本です。
 
先日読んだ本の巻末に紹介されていて、気になってメモしておいた中の一冊。
 
いやーなんていうか、都会っ子の高校生ならではの話だなあと。
 
東京が地元という友達が出来た時、「中学の頃に渋谷に遊びに行っていた」という発言を聞いた時、ひどく驚いた記憶があります。
はあ?!こちとら、隣町(県内の田舎)に初めて中学生だけで電車に乗って行ったくらいだっての!
大宮行ったのも高校に入ってからが初めてでしたからー!!!
なんて思った訳ですけど、都会の高校生の恋愛は何だかとても格好良くて、何だか読んでいてうらやましいよりも悔しく感じました。
 
この主人公の女の子は、普段は学級委員を任されるような優等生で頼られる存在。
休日に普段はかけない眼鏡をかけ、髪もろくにとかさない気合の入っていない格好で都会の街を徘徊します。
ダーツで行き先を決めて。
 
ふらりと電車に乗って、様々な街へ行く事ができる都会に住む高校生。
もしこっちだったら、さながらチャリんこであるとか、原付でブラブラ、くらいではないだろうか。
そして本当に気合の入っていない格好といったら、キティちゃんサンダルと上下スウェットであるとか(いや、これ気合が云々より、田舎の女子高生は平気でこの格好をして電車に乗ってしまう。そのくせ化粧だけは気合が入っているからおかしい)。
どこまでもこの主人公の女の子は都会的な匂いを醸し出しているのだ。
 
お互い好きという感情のないキスを交わした相手を忘れられず、ふいにその男の子と再会し、心が乱される。
つかず離れず、友達でもない恋人でもないこの不思議な関係。
 
個人的に、後半の「ある出来事」の展開にびっくりしたのですが(結果的に、それがあって二人は気まずくなるのですが)、これも都会的な女子高生であれば普通なんでしょうか。
 
という訳で、あまり感情移入ができなかった田舎の元女子高生の私ですが、それでも青春時代の葛藤やもどかしさが伝わってきて、何だかしびれました(笑)
 
前半は何だこれ、何が言いたいんだ?と斜めに構えて読んでいましたが、読後は意外と爽やかで満足。
 
都会っ子の恋愛模様をぜひ、お試しあれ。