No-music.No-life

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星に願いを、月に祈りを

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小学生のアキオ、大介、麻里は、夏の学童キャンプで、夜、ホタルを見るため、宿を抜け出し、川に向かう。ようやく川にたどり着いた3人は、偶然ラジオから流れる謎の深夜放送を耳にする。その後、中学で野球部に入ったアキオは、一学年先輩の放送部員・里崎さんを好きなるが、告白できないまま、時間が経過する。高校生になったアキオは、夏休みに、かつてのキャンプ場を訪れ、再び謎のラジオ番組を聞き、あることに気づく。そして、さらなる時間が流れ、アキオたちは大人になった。物語は、大きく動き始める――。

中村航さんの本です。
 
久しぶりに中村さんの作品を読んだなあ。
この作品は、「星空放送局」と繋がりがある作品のようですね。
相変わらず、中村さんの作品と宮尾和孝さんのイラストは雰囲気がばっちり合っていて素敵です。
 
何だか、とても・・・深い話でした。
物語は四章に分かれているのですが、各章毎に語り手が違います。
 
第一章は小学生時代の大介、第二章は中学生になったアキオ、第三章はラジオDJをしている掌、第四章は大人になった美紀。
 
繋がりがあるようでないような、これらの物語はどうやって終息するのだろう?と思わせておいて、実は根っこのところでしっかり繋がっていたのですね。
 
特に第二章と第四章が好きです。
 
ネタバレになってしまうのですが、第三章は掌が生き残った世界に、美紀がやってきた、という事なのかな?
そう考えると何だか凄い宇宙って、世界って、壮大なんだなあと実感して感慨深くなったり。

それにしても、中村さんが描く女子は何でいつもこんなに可愛いのでしょう?
そして、独特の表現「ふわーん」とか「どきーん」とか、作品の中に自然と溶け込んでいて、いい感じに癒されるんですよね。
 
中村さんの作品の中の男子は、もう「男の子!」という、いかにもな感じなんだけど、好きな人の事を一途に思ってくれる感じの人物が基本という印象。
凄く真っすぐで、格好良い!
 
私もバンガローをガンバローと言い間違える事は実際にないですが、やっぱり一度は言ってみたいと思います(笑)
 
言葉の隅々まで、中村さんのセンスを感じます。
うーん、凄く好きだ!
 
スーパームーンが見えると話題になっていましたが、ふと仕事帰りに見上げた夜空に星がキラキラ瞬いていました。
この本を読んだら、遠い宇宙に想いを馳せて、何だかとてもふわふわした心地良い気分になれました。
(4.5点)