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ガール

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30代。OL。文句ある?
さ、いっちょ真面目に働きますか。
キュートで強い、肚(はら)の据わったキャリアガールたちの働きっぷりをご覧あれ。
<こんなお心あたりのある方に、よく効きます。>
●職場でナメられてる、と感じた
●親に結婚を急かされた
●若い後輩の肌つやに見とれた
●仕事で思わずたんかをきった
●ひとめぼれをした
●子どもの寝顔を見て、頑張ろうと思った
きっとみんな焦ってるし、人生の半分はブルーだよ。既婚でも、独身でも、子供がいてもいなくても。


奥田英朗さんの本です。

 
最近映画化された事でも話題になっている作品ですが、何となくタイトルから敬遠して読んだ事がなかった作品でした。
しかし奥田さん、凄い・・・!
女性主人公の気持ち、女同士の面倒くさい関係とか、凄いリアルに描いていました。
 
本作の主人公は30代の独身女性(離婚経験ありの女性もいる)。
だけど、自分と違うのは管理職についていたり、経験を積んで仕事を任されていたり、大企業に勤めていたりと、独身でもキャリアウーマンという区分けに入る女性達が描かれている事でしょうか。
 
「ヒロくん」「ガール」「ひと回り」が特に良かったです。
 
30代未婚女性って、ちょっと間違えたら凄く不幸にも描く事が出来ると思うんですよ。
失礼だけど、結婚=幸せみたいな図式は未だにあるから。。。
 
私も主人公達に年齢が近いうえに、彼女たちと違って大した経験もなく歳だけ重ねてしまったクチなので、結婚予定もないし、仕事は続けていかないと生きていけないと実感している訳で。
将来絶対私も20代の後輩達に苛々したり羨ましく思いながら、昔は良かったのに、とか思っちゃうんだ・・・と読んでいて不安が募るばかりだったのです。
既に20代後半。
18歳の新入社員も入ってきたり、平成生まれとのジェネレーションギャップどころか、24歳以下の人についていけなくなっている次第で、肌の張りに見取れたり、昔ほどちやほやされなくなったな。仕事にも責任を求められてきたな、そういえば社会人10年目だし・・・と悶々と考えてしまう事が多いです。
 
読んでいてこれから歳を重ねていく事い凄く不安を感じてしまったのですが、だけどそれだけで終わっていないのが良いです。
きちんと前向きに物語は完結しているし、わだかまりもすっきりしていて、読んでいてとても爽快な気持ちになりました。
 
映画は何だか恋愛方面ばかりクローズアップされているような気がするのですが・・・どうなのでしょうか?
ともあれ、原作はとても良かったです。ぜひぜひ。
 
(4.5点)