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終点のあの子

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プロテスタント系の私立女子高校の入学式。中等部から進学した希代子と森ちゃんは、通学の途中で見知らぬ女の子から声をかけられた。高校から入学してきた奥沢朱里だった。父は有名カメラマン、海外で暮らしてきた彼女が希代子は気になって仕方がない。一緒にお弁当を食べる仲になり、「親友」になったと思っていた矢先…。第88回オール讀物新人賞受賞作「フャーゲットミー、ノットブルー」ほか全4編収録。


柚木麻子さんの本です。

 
確か書店で見かけて気になっていたタイトル。
図書館で借りてみました。
 
凄い、この人・・・絶対まだ若い!
と思ってプロフィールを見てみたら、1981年生まれだって。
自分よりは年上なんだな。
 
今時の女子高生って、こんななんだろうなーと思えるくらい、リアルで、残酷。
いえ、表現がとか、残酷と言ったら大げさに聞こえてしまうかな?
 
でも、今時の女子高生ってこういう人間関係の中で生きているんだろうなと思ってしまうくらい、本物っぽかったんです。
 
顔はそんなに可愛くないのに、目立って異性から好かれる女の子っていますよね?
朱里もそんな女の子の一人。
自由奔放で、誰にも近づきすぎず、自分を持っている女の子。
 
だけどそれは、時に協調性がないとか、目立ちたがりだとか、顰蹙を買う原因にだってなりえる。
 
憧れて友達になって、近づいたと思ったら些細なきっかけで仲たがいしてしまう――
そんな女の子同士の友情の危うさ、脆さみたいなものが丁寧に描かれていました。
 
個人的には、少し太めで外見にこだわらないダサい女の子と、見た目からして洗練されたクラス一の美人の女の子とのひと夏の友情がほろ苦かったです。
 
きっと大人になったら、人からどう見られているか、どういう人と付き合っているかで相手からどの程度の地位で見られるか、なんて気にならなくなるんだよね。
だけど中学生・高校生の頃って・・・そういうのを気にして友達を選んでしまう子って、絶対いたと思うし、今でもいるのだろう。
 
決してハッピーなエンドではない話かもしれませんが、何だかあの頃を思い出してほろ苦い気持ちになった一冊でした。