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桐島、部活辞めるってよ

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とある田舎町の県立高校映画部に所属する前田涼也は、クラスの中では地味で目立たないものの、映画に対する情熱が人一倍強い人物だった。そんな彼の学校の生徒たちは、金曜日の放課後、いつもと変わらず部活に励み、一方暇を持て余す帰宅部がバスケに興じるなど、それぞれの日常を過ごしていた。ある日、学校で一番人気があるバレー部のキャプテン桐島が退部。それをきっかけに、各部やクラスの人間関係に動揺が広がり始めていく。


出演:神木隆之介/橋本愛/大後寿々花/東出昌大/清水くるみ/山本美月/太賀 他
監督:吉田大八
原作:朝井リョウ「桐島、部活辞めるってよ」


節約のため、いつも平日朝一の料金が割引になる時間帯にしか映画館に行かない私が、かなり楽しみにしていた映画だったのでとうとう初日に観に行ってしまいました!
 
土曜日、世間は夏休みとお盆休みに入っているということもあり、高校生の姿が多かったですね。
田舎はあまり一人映画している人が少ないので、若干気まずいので平日オンリーでしか行かないんですけど、今日は座った席の近くに女子高生と男子高生がいて、予告編の時とエンドロールの最中に終始喋りっぱなしでかなり苛々してしまいました。
 
しかも原作を読んでいる人なら分かっている事ですが、この作品にとうとう桐島は出てこないわけです。
そして思ったとしてもわざわざ、新たな人物が登場する度に「え?この人が桐島?」とか、金曜日が続く件についても「また金曜日だ」とか、土曜日・日曜日になる度に「やっと進んだ」とか突っ込むのは心の中だけにしておいていただきたい。
 
笑いどころで笑うのは一向に構わないけど、本当に映画鑑賞中の私語は気になるものです。
そういった周囲の環境が良くなかった事が心残りですが、さて感想。


まず、橋本愛の圧倒的な美少女・存在感!
もうすっかり橋本愛の虜です私(笑)
 
原作のかすみはもうちょっと親しみやすい明るいキャラのイメージだったのですが、橋本愛版のかすみもなかなか。
そして神木君の演技力は言わずもがな。
とにかく神木君の地味男子ぶりが上手かったですよ。
 
文化部、しかも映画部で凄い恥ずかしいタイトルの映画で賞を取ったという名誉なのに、クラスの女子からダサいと笑われ、運動ができない事で体育の時間に存在を黙殺されたり。
神木君演じる前田とつるむ地味男子もかなり上手い。
私も高校時代女版のこの二人みたいな存在だったので、あの当時のことが走馬灯のように浮かんで切なくなりました。それくらいリアル。
 
そしてクラスの人気者、トップに君臨する男女グループ。
その中で野球部を辞めるでもなくかといって練習に行くでもなく、野球鞄だけは持って中途半端な気持ちでいる宏樹役の東出君の格好良さね。
 
こういう格好良い人ほど、女の趣味が悪い。
何でこのイケメンがこんなギャルと?!と思う組み合わせをよく見るけど、原作をそのまま映像化してくれた感じ。映像化することで更にリアリティが増しました。
とは言え、男子から見るとあの化粧ばっちりでケバイ二人の女子が可愛い部類に入るんだろうなあ。
 
トップグループにいながらも、実はお互いの本心を器用に隠してつるんでいる女子の面倒くさい感じ。
かすみが一触即発と思われる女子同士の微妙なシーンで気を遣うところまでが、分かる分かる!と思って苦しいほど。
 
原作とは若干違う設定もあるものの、例えば前田と宏樹のあのシーンは健在。
随所に散りばめられる削ってほしくないシーンをきちんと盛り込んでいるところも良いです。
 
小説ではよく、同じ教室にいる生徒の個人個人のシーンから見たストーリー展開がリンクしていく様が描かれる事は多いけど、同じ曜日を別の生徒からの視点でリンクさせていく様はお見事!
 
桐島は最後になってもやっぱり出てこないし、劇的な何かが起こる訳ではない。
けど、ラストの「文化部地味生徒の反乱」的シーンは思わず同じ立場を経験している私にとってはニヤリとしてしまいました。
 
見終わった後はいまいち理解できていない気がしたのですが、後からじわじわと余韻が襲ってきて未だに映画のワンシーンを思い出すほど。
 
好き嫌いが分かれる映画かもしれないけど、私はこの映画「アリ」だと思います。
 
そうそう。
ずっと太賀さんを見て「何処かで見た事がある顔・・・」と悶々としていたのですが、大河ドラマの「江」で秀頼役だった子でした。何だか結構印象に残っているんですよね。
分かってすっきりしたー(笑)
(4.5点)