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勝手にふるえてろ

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賞味期限切れの片思いと、好きでもない現実の彼氏。どっちが欲しい? 片思い以外経験ナシの26歳女子が、時に悩み、暴走しつつ「現実」の扉を開けてゆくキュートで奇妙な恋愛小説。


綿矢りささんのお久しぶりの新刊。
 
発売しているのを知らなくて、本屋に平積みされていたのを見て慌てて予約して読む事ができました。
 
読み終えてみて思ったのが、
「原点回帰?」ということです。
 
デビュー作の「インストール」に近い感じ。
うん、文藝賞的な感じ。
 
ううん、綿矢さん特有の冷めた目線から見る物事をズバッと切る感じの潔さと、軽快でテンポの良い語り口は、初期の綿矢さんらしい作品と言えると思います。
 
挑戦的なタイトルでぐっと興味を引きつけます。
冒頭から始まる主人公の脈絡ない思想の語りには「綿矢さん・・・」と思わずうなりそうでしたが(これはつまらないのでは?という危惧)、そこから綿矢さんらしくテンポ良い話運びで、
 
何がある訳でもないけれど、何だかすっとする感じがしました。
 
個人的には、「夢を与える」くらいの厚みと深みのある長編も書ける方だと思っているので、またあれくらいの力作を期待している部分もあるのですが・・・
 
若くして芥川賞最年少受賞で相当顔と名前が知れた作家さんだから、同時受賞した金原ひとみさんと比べて執筆ペースがかなり遅い事を心配していました。
 
どんな形であれ、また新作を届けてくれたのは嬉しいですし、初期の作品も嫌いではないので・・・
 
今後も様々な作風の作品に挑戦して欲しいし、期待してしまいますね。
 
 
まあ、しかし・・・嫌いではないけれど、時間が経ったら内容を忘れてしまうような作品ではあるのですが。。。
 
綿矢さんは同い年(1984年生まれの26歳という点でも完全に同学年)の作家さんで、好きな作家の一人でもあり、相変わらず写真を見ると可愛いし、好きなんで許します。
 
次の作品を読める日はいつになるのか・・・。応援していますよ!