父は、昔からよく知っていたようにも、全く見知らぬ人のようにも感じられた。
「今、見ているものとか、ここにあるもの全部。お父さん。桐子。全部、かけらだ」――二人で参加することになった日帰りさくらんぼ狩りツアー。そこで桐子が眼にしたのは父の意外な顔だった……。川端康成文学賞を最年少で受賞した「かけら」ほか二篇。人と人のあいだの微妙な関係を瑞々しいタッチで描く珠玉の短篇集。
青山七恵さんの本です。
青山さん、久しぶりに読みました。
というか、この方は発刊ペースが遅い気がします(笑)
というか、この方は発刊ペースが遅い気がします(笑)
実は結構好きな作家さんの一人なんですけど、今回の短編集・・・とても良かったなあ。
私の中で、青山さんは初期島本理生さんと感じが似ているので、だから余計に好きなんだと思います。
日常の本当に些細な出来事をつづっているんですけど、それがどうしてこうも温かくて素敵な余韻を残す物語ばかりなんだろう。
特に、欅の部屋と山猫が良かったです。
女性作家が書く男性――特に、男性の語りだと、結構女の人目線だよなあと思わされる部分があって、それが何となく微妙な作家さんって結構いる気がします。
でも、青山さんの描き方はとても自然で好感が持てました。
プロフィールを見たら、1983年生まれなんですね。
ということは、私と同じ学年ってことか!
ということは、私と同じ学年ってことか!
青山さん、豊島ミホさん、綿矢りささん、島本理生さん、辻村深月さん、山崎ナオコーラさん・・・自分と世代が近い女性作家さんは割と好きでよく読みますが、青山さんは読むたび良い作品になっていってる気がします。
発刊ペースはゆっくりですけど、今後も楽しみな作家さんです。