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かわいそうだね?

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私の彼は元彼女と同棲中……週刊誌連載時から話題を呼んだ表題作と、女子同士の複雑な友情を描く「亜美ちゃんは美人」の2篇収録。
同情は美しい、それとも卑しい?美人の親友のこと、本当に好き?誰もが心に押しこめている本音がこぼれる瞬間をとらえた二篇を収録。デビューから10年、綿矢りさが繰り広げる愛しくて滑稽でブラックな“女子”の世界。


綿矢りささんの最新作。
 
毎度ながら、非常にインパクトのあるタイトルです。
今回は「かわいそうだね?」。
 
綿矢りさ、やっぱり好きだなあと思った作品。
前作の「勝手にふるえてろ」がデビュー作「インストール」に近い、初期に返った作品(ちょっと軽めのタッチ)だったのですが、個人的には本作の方が好み。
 
綿矢さんは1984年2月生まれの27歳、ということで私と共通点が多く、デビューの頃から好きなのですが、相変わらず写真を見ると可愛い方です。
だけど、鋭く毒の入ったつき離した語り口が心地良い。
その意外性がなんか良いのですよね。
 
辻村深月さんほど、女子同士のいざこざや複雑な感情などをドロドロと書いているわけでもなく、あくまで傍観者のように遠くから眺めているような、そんな距離感が女子の私としては「あー分かる!」と納得してしまいました。
 
表題作の主人公の彼氏にはやはり賛同しかねるけれど(彼女がいるのに、職も家もない元彼女を自分の家に住まわせてあげる彼氏)、最後にブチキレた主人公が潔くて良かったし。
個人的には「亜美ちゃんは美人」が、美人過ぎて引きたて役になっている主人公が、卑屈になっていなくて、さばけていて、重過ぎなかったし。美人の友達、って絶対凄い苦労がありそうだもの・・・
ちゃんと良い話で終わっていたのが読後感の後味も良かったと思います。
 
最近は作品を発表してくれるようになってきたので嬉しいです。
今後の作品も楽しみですね、綿矢さん。