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つばき、時跳び

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幽霊伝説のある旧家に住むことになった「私」は、ある日、突然出現した不思議な少女に魅せられる。150年の「時の壁」を超える恋の行方は? 「黄泉がえり」の作者が放つ、究極のタイムトラベル・ロマンス。


梶尾真治さんの本です。
 
はっきり言って全く期待していなかったのですが、
あまりにも面白くてびっくりしました!


その家には、幽霊がいるという。何故か決まって女性にばかり目撃されるという女の幽霊。
ひょんなことから幽霊が出ると言うその旧家に住む事になった井納惇は、ある日その幽霊の姿を目撃することになる。
 
20歳前後の美しく清楚な女性。
 
その姿が、実際に触れる事ができる現実のものとして目の前にやってきて――


タイムトラベルの話は、色々な小説で読んできましたけど、こういう話もなかなか珍しく、新鮮です。
 
幽霊だと思っていた女性は、幕末に実際にその屋敷に住んでいた女性だった。
その女性が現代の屋敷にふいに現れ、見るもの触れるものすべてに驚き、恐れる。
 
そして少しずつ心を通わせていくにつれ、いつまでもこの時代にはいられないという恐怖を感じる。
 
何度か訪れる、突然の別れ。
 
逆に惇が幕末の屋敷に飛ぶ事になり、再びかけがえのない幸せな生活が続くが、その場所に留まれるのは限られた時間だけだということが分かっていく――
 
幕末の女性・つばきがとてもとても可愛いです。
昔の女性のつつましさ、清楚さは現代ではありえないくらいかもしれませんね。
 
文明の進歩に目を丸くし、怖がったり驚いたりしながらも、ビールやソフトクリームを美味しいというつばき。
無邪気で真っすぐな心を持った女の子なので、とにかく可愛くてたまりませんでした。
 
タイムトラベル系の話にありがちな、タイムパラドックスをタブーとする展開だと思っていると、結末に驚きます。
 
え!こんなんで良いんですか?!と逆にびっくりしたので、
5点満点評価ではなく、4.5点にします。
 
だってこの展開はこの展開で、結構色々とつじつまが合わなかったりするのではないだろうか?と思うので(笑)
 
それでも、とても読みやすくて面白くて、分厚いのにすいすい読んでしまいました。
梶尾さんの作品、お薦めです!
 
 
しかしこの作品、今年舞台化されるようですが・・・・
 
キャストのイメージがあまりにも違い過ぎて萎えました。。