知乃と鮎美、和衣は高校時代からの親友。知乃には自分以外の恋愛を成就させるお祈りができる特殊な能力があったが、自分たちはまだ独身だ。30代を迎えた彼女たちの前に現れるのは「運命の人」なのか? 恋愛ファンタジー。
梶尾真治さんの本です。
「ボクハ、ココニ、イマス」で初めて読んだ梶尾さん。
なかなか読みやすく、面白いと思ったので、別の本も読んでみることにしました。
ははあ。
この結末とは。
ミステリをよく読むようになると、どうしても残酷な展開を想像してしまう。
きっとこの主人公と、主人公が好きな男の人とは上手くいかない、最悪な結果が待っているのだろう。
親友ともダメになって。
なんて思っていたら、良い意味で予想が裏切られて驚いた。
なんとなく冒頭から不穏な空気があって、この不穏な状態のまま終わるかと思ったら、そうではないのね。
でも、以前読んだ本もそんな展開だったかも。ラストは少しだけ明るい希望が見えてくるような。
男女の仲を急速に発展させる、不思議なおまじない。
しかしそのおまじないをかけた当人には、その代償として身体的苦痛や疲労が待っている。
おまけに、自分自身におまじないをかけることはできない――
年頃の女性でも、病気の母親がいて、母親と二人暮らししている。
なんか何処かで聞いたようなフレーズだなあと、他人事とは思えないのでした。
そんな苦労をしていた主人公に、まじないなんか何もなく、自然に好いてくれる相手がやってきたこと。
ラストでほんわかとした気持ちになれました。