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あまからカルテット

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「終点のあの子」作者の誰もが待ち焦がれた新作は、仲良し四人組の探偵小説。ピアノ講師の咲子、編集者の薫子、美容部員の満里子、料理上手な由香子。恋愛の荒波も、仕事の浮き沈みも、四人の絆で乗り越えてみせる。


柚木麻子さんの本です。
 
ん?探偵小説って何?という感じですが、確かにちょっとばかし謎解き要素はあるかも。
 
タイトルや装丁から、もっと違った感じの話を想像していました。
実際読んでみると、自分と同い年の主人公達と、仕事に恋愛に結婚やら悩みつきないお年頃である事がリアルに響いてきて、どんどん惹きこまれていきました。
 
とにかくもう、一話目の「お稲荷さんの君」の話で乙女心を鷲掴みにされてしまいました。
 
職業も性格も立ち場も全く違うのに、学生時代から気の合う女の子四人組。
既婚・未婚に関わらず、嫁姑問題やら夫婦間の関係やら、仕事の立ち場や年収の差など、書き詰めていけばもっとドロッとした話としても書けるのだろうけど、そういった不穏要素はほぼありません。
 
逆に、嫉妬などはどんなに仲が良い友人に対してでも思う事でしょう。
それが自然に書かれていて好感を持てました。
 
どんなに辛い事があって、気持ちが沈んで立ち直れなくなりそうな時も、どんな時でも悩みを聞いて時には叱咤してくれたり、甘えさせてくれたり、いざとなる時に頼りになるこんな頼もしい親友がいるとは何と素晴らしいのでしょう!
 
読後も何とも爽快な気分に包まれ、読んで良かったと思える作品でした。
大満足。
 
それにしても、作中に出てくる料理が美味しそうで美味しそうで。
ラー油料理とお稲荷さんと甘食が食べたくなりました(笑)!
(5点)