深夜のビルの屋上に、管弦楽の生演奏が響き、男がそこから飛び降りた。内臓の飛び出た死体に、演奏していた女たちが群がる。ある女は死体の写真を撮りまくり、ある女は興奮してカッターで自分の身体を切りつける…。白川琴音の喜びは、美人指揮者・真理乃が率いる大学の極秘サークル「レーヴ・ポステュム(死後の夢)」のメンバーとして、自殺する者のために、美しい音楽を奏でること。が、ある日、自殺志願者が「やっぱり死ぬのをやめる」と言った途端、真理乃が豹変。自殺者の最期に魅入られた六人組が、“完璧な死”を求めて狂気の暴走を始める。山田作品史上、もっとも妖しく、もっとも残酷なサスペンス・ホラー。
山田悠介さんの本です。
時々山田さんの本を読みたいという気になることがあり、久しぶりに借りてみました。
が・・・・・・これは、ちょっと・・・・・・久々に評価3(5点満点中)を下したい作品に出会ってしまいました。
なんていうか、作品に非常に力が入っていない感じがしました。
さらっと書いて一冊書きあげちゃいました、くらいの感じ。
結構山田作品は読んだつもりだけど、文章能力は大分上がってきている感じもするし、確かにするすると読めちゃう読みやすさは良いと思うんです。
でも、あまりにも設定が杜撰。
そして結末にも大分無理がある・・・・。
色々なアイデアを持っている方だと思うんで、その魅力を全く引き出せていないまま終わってしまった本作は、ただただ残念でした。