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幽霊人命救助隊

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浪人生の高岡裕一は、奇妙な断崖の上で3人の男女に出会った。老ヤクザ、気弱な中年男、アンニュイな若い女。そこへ神が現れ、天国行きの条件に、自殺志願者100人の命を救えと命令する。裕一たちは自殺した幽霊だったのだ。地上に戻った彼らが繰り広げる怒涛の救助作戦。


高野和明さんの本です。
 
何作か読んでとても面白かったので、図書館で借りてみました。
結構分量があったのと仕事が休みに入ってしまったのでなかなか読むのに時間がかかってしまいました。
あと、装丁とタイトルで損しているような気がするんですが・・・。
何となくなかなか読みたいと思わせてくれなかったので(笑)
 
それにしても、何だか考えさせられてしまいました。
 
人が死にたいと思う気分を、本作の中に登場する風に言うならば、青信号(死にたい願望があるけれど実践はしない)・黄色信号(今すぐに死なないけれど、何かきっかけがあったら死に至るかもしれない)・赤信号(今にも死にそう)という事になるんだけれど、私は青信号って所だろうか・・・。
 
自殺をしたいと、自分から命を立とうとしたことはないけれど、「このまま消えちまってもいいかな」と思うことは、多々ある。
会社から必要とされていない、人から嫌われている気がする、何もかも上手くいかない、孤独感が募る――
人から見れば凄く些細なきっかけや理由で、人というのはすぐに「死んでしまった方が良いのではないか」と思ってしまう。
 
青信号まではいかなくても、誰しも一度は死んでも良いかもと思うことはあるんじゃないだろうか。
 
この本では、安易に自殺をしてしまった主人公達4人が、死を決意しようとする人間をなんとか立ち直らせて生かせようとする奮闘をする話、と単純に言えばそうなんだけど、
人が死にたいと思う時って、全く後に残される遺族や自分に関わった周囲の人間の気持ちを考えていないんだなあって思ったんですよね。
もう死にたい死にたいって思っている時って、自分のことしか考えられなくなっているんでしょうね。
私も考え込んでいる時って、もう一直線で前しか見えないっていうか、なんだろ、人の気持ちまで考える余裕がなくなっていますから・・・。
 
自殺を考えている人、死んでもいいかな、と時々でも思ってしまう人にはぜひ読んで欲しいです。
自分が死ぬことでどれだけ周りの人間を悲しませるか。
そして、どうして死んでしまったのかと後悔するか。
 
何だかとても、大切な事に気付かせてくれる作品でした。