箱根のホテルに飾られていたという一枚の写真、そこには、芦ノ湖に浮かぶ帝政ロシアの軍艦が写されていた。山中の湖に突如出現した軍艦は、軍人たちを降ろした後、一夜にして消え失せたという。この世ならざる謎に御手洗と石岡が迫る。そこには日本とロシアを結ぶ圧倒的感動の物語が秘められていた。
島田荘司さんの「御手洗」シリーズのうちの一つ。
久々に御手洗シリーズを読むと、何か家に帰ってきたみたいな安心感がありました（笑）
恥ずかしながら、ロシアのアナスタシア皇女の歴史を知らなかった私は、この話が史実に基づいた話に島田さんなりの物語を肉付けして出来あがった話であるということに気づかずに読んでいました。
エピローグは語り手が完全に変わっているのと、エピローグの割にはボリュームが多いので少し閉口しましたが、新たな視点から仮説として捉えた話が書かれているので、歴史好きにはたまらないかも。
ただ、御手洗の出番というか、大きな活躍という活躍がない話でもあり、ちょっと物足りないかも。
レビューを見ると評価が高い作品のようなので、私の方がまだまだなのかもしれませんが。。
