海外へと旅立った御手洗。彼は今、どこに――。ちょっとヘルシンキへ行くので留守を頼む――。そんな置き手紙を残し、御手洗潔は日本を去った。石岡和己を横浜の馬車道に残して。その後、彼は何を考え、どこで暮らし、どんな事件に遭遇していたのか。ロスでのインタビュー。スウェーデンで出会った謎。明かされる出生の秘密と、父の物語。活躍の場を世界へと広げた御手洗の足跡を辿り、追憶の中の名探偵に触れる、番外作品集。
島田荘司さんの御手洗シリーズ最新文庫。
と思いきや、本編とは少しそれたファンブック的な諸々に収録されていた作品を一冊にまとめたものでした。
ただ、ファンブック的なやつにはまだ手を出していなかった自分は、結果全て未読の作品でした。
海外にいる御手洗のインタビュー、里美が語り手となったショートショート。レオナからの手紙、そして石岡君へのロングロングインタビュー。
唯一の中短編である一篇は、御手洗の父親と思われる人の話。
太平洋戦争真っただ中の話なので、戦争の話が絡んでかなりずっしりとした重さでしたが、一番惹きこまれた作品でもあります。
御手洗と石岡君のコンビの話はありませんでしたが、最後のあとがきに一時的に御手洗が金沢に帰国する予定があり、その予定に合わせて石岡君も金沢に行く予定なので、久々の再会となるかも・・・と書かれていたのがとても楽しみ。
私は御手洗はかなりの変人だという印象が強いんですけど、どんどんイケメン化している気がしています。
また、いつもは石岡君が自分の目線で書いているのでへたれ中年の印象だった石岡君の見た目は、実は違うんだよっていうのが今回よく分かり、何だか新鮮でした。
そしてほぼ全作品を読んできたシリーズファンの自分にとっては、なかなか楽しめた本作でした。
あ、最新の御手洗作品が発売されているんですね！
早速予約せねば。
（4点）
