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UFO大通り

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御手洗潔、疾走(はし)る!
中編2作収録
「石岡君、象みたいにもたもたするんじゃない、こうしている間にも、人の命が失われるかもしれないんだ」
「これは極楽寺坂だ。鎌倉幕府が開いた切り通しを、今LPガス車で抜けていく。この道ができて1000年も経つのに、われわれの移動手段に大差はない。ぼくにジェット・ヘリを1機くれたら、日本中から迷宮入りの事件なんてなくなるのにね!」
 


 
島田荘司さんの御手洗シリーズ。
 
文庫版ではないやつを初めて読みましたが、一番読みやすかった気がします。
でも、ユーザーレビューでは酷評されているのでびっくり。
やっぱり普通の人と観点が違うのかしらん。
 
長編だと、話に入り込めないと読むのに難儀するんだけど、短編だとやや物足りなくも感じたりするタイプなので、中編2作が収録されている今作は、個人的には結構楽しめました。
 
傘を折る女では、まさかあれだけの情報で事件の全容を解明してしまえるとは・・・・御手洗、恐るべしです。
 
ただ、
もし自分がバスジャックに遭ってその現場にいたとしたら・・・あの女の事を殺したいと思う程には憎めないかもしれないな・・・とふと思いました。
 
バスジャック犯に母親を殺された娘が、母が殺されるきっかけとなった女を恨んで会いに行くまでのその怒りは、娘自身はバスジャックに遭っていないからこその気持ちなのではないだろうか・・・・
 
だけど、もし自分がこの娘と同じ立場だったら・・・・
 
色々と考えさせられる話でした。
 
 
それにしても、御手洗は日本には帰ってこないんでしょうかね。
石岡君も何だか過去を回想してばかりで(笑)、寂しそうですよ。