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暗闇坂の人喰いの木

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さらし首の名所暗闇坂にそそり立つ樹齢2千年の大楠。この巨木が次々に人間を呑み込んだ?近寄る人間たちを狂気に駆り立てる大楠の謎とはなにか?信じられぬ怪事件の数々に名探偵御手洗潔が挑戦する。だが真相に迫る御手洗も恐怖にふるえるほど、事件は凄惨をきわめた。本格の旗手が全力投球する傑作。


島田荘司さんの御手洗シリーズ。
 
ここ最近本の記事がなかったのであれ?と思われた方もいるでしょうか?
ええ、はい。この本をひたすら読んでいたのですよ。
私にしては珍しく、4日もかかりました(笑)
分厚くて、内容が濃いので読み応え十分で楽しめましたけど、早く真相が知りたいのになかなかページ数が減らなくてもどかしかったです。
 
いやーやっぱり石岡君と御手洗のコンビで事件解決の話が一番好きだな。
そして今回は、松崎レオナの初登場の回だったのですね。
 
レオナは今となっては御手洗に熱狂的に片思いをしている訳ですが、初めは火花をバチバチ散らして敵対している感じだったのですね。
確かにレオナも結構個性が強い女性なので、御手洗とぶつかるとなかなか濃い感じになってますが・・・。
 
レオナがどうして御手洗を好きになったのか、若いのに何処か影を抱えている印象だった事の理由が本作で分かりました。
それにしても、本作のレオナは21歳~23歳なのですが、それにしてはしっかりし過ぎているというか、大人過ぎだろうってちょっと違和感。
でも、石岡君がレオナを見た時に抱く印象。
どれだけ綺麗なのかと想像が膨らんでしまいますね。
個人的に結構レオナは好きなキャラクターなんですけど。
心なしか、この当時の御手洗のレオナに対する態度は若干柔らかいような・・・。
 
御手洗が解き明かした真相は「えー!」っていう、ちょっと突拍子もない部分もあったのは否めませんが、それより何より、樹齢2千年の大樹が持つ、神秘的で恐ろしい姿であるとか、童話風に展開される外国のとある場所で起こった事件とのリンクであるとか、何より一番興味深かったのが歴史的に見た、日本を含めた世界の処刑方法でしょうか。
資料の挿絵も付いているので、恐ろしさも倍増。
だけど何故か不思議と惹きつけられるのがまた怖いです。
 
ボリューム満点で、御手洗と石岡君の活躍とレオナ初登場ということで、個人的にはなかなか満足した一冊。
それにしても4日もかかるとは・・・。なかなか手強い作品でした(笑)