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金曜のバカ

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天然女子高生と気弱なストーカーが繰り返す、週に一度の奇天烈な逢瀬のの行き着く先は――?(「金曜のバカ」) ピュア過ぎてアブノーマルなヤツらが繰り広げる妄想と葛藤! ちょっと変でかわいい短編小説集




越谷オサムさんの本です。

書店で見かけた時、タイトルが凄くインパクトが強くて(今日読んだ、「マイルド生活~」同様)、携帯メモしていた作品の一つ。

ピュア過ぎてアブノーマルな~なんて書かれているから、どうせあれでしょ?男性目線で書かれてるちょいエロ的な話でしょ。

なんて、全然期待してなかったんです。

表題作、金曜のバカでは、早々に「おじさん」と「女子高生」なんていう単語が出てきて、いかにもエンコーしてる女子高生みたいに書いてるから、すっかり私は卑猥な妄想をしてしまっていました。

が、実はまっさらで今時珍しいくらい、健全な女子高生なのでした!

それが分かった瞬間から、ぐっと面白さが増して・・・気づいたらすいすい読んでました。

この作品は期待してなかったのに、むしろ逆!
かなりの良作揃いの短編集です。


表題作の変態ストーカー男と女子高生の不思議なバトル、流星群の夜に一度だけ出会った女の子との思い出(星とミルクティー)、田舎に住む高校生の東京への憧れ(この町)、恐竜オタクの男の子と初デートの話(僕の愉しみ 彼女のたしなみ)、飼い犬と女の子の話(ゴンとナナ)。


どの話も、読んだ後ほわっとした温かさに包まれて、不思議と心地よくなっている感じでした。

特に、田舎に住む者として「この町」でははっとさせられたりする部分もあって。


思いがけぬ素敵な作品に出会えました。


金曜のバカという発音は、「金曜の、バカ!」というニュアンスで良いんだと思います。
そう考えてみると、奇抜なタイトルも少しだけ愛着が湧いてくるから不思議です。

ぜひぜひ。