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極貧!セブンティーン

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貴美が17歳のころ、父はリストラされて蒸発。貴美も家を出て、幼なじみの優太郎とともに上京する。医者になりたい貴美の夢をかなえるため、大工場の派遣社員として懸命に働く優太郎だが、不況のあおりで彼もまたリストラされてしまう。仕事もなく、金もない、ただ夢だけを追いかけて生きていたあのころ。


黒野伸一さんの本です。
 
ううう・・・
このタイトルから想像する、不幸だけどちょっと笑える系の苦労する女子高生が主人公の話なのかな?と安易に借りてみたものの、思ったより暗い気持ちになってしまう話でした。
 
黒野さんの文章は相変わらず読みやすく親しみやすいですが、これは何が悪いって景気が悪いのが悪い!っていう、ただそれだけなのでしょう。
 
幼馴染で今は不良になってしまった優太郎と、偏差値が低く評判の悪い高校に通うものの優等生の貴美。
父親がリストラを機に蒸発、うつ気味の母親と文句ばかり言っている妹を支えるため、バイトをすることになった。
しかし、ひょんなことから優太郎について上京し、医者を目指して勉強に励む貴美。
 
昇給も昇進も見込めない派遣労働者
世界的な不況に見舞われてあっさりと派遣切りされる労働者たち。
路頭に迷う労働者に差し伸べてくれる手などない。
 
女子高生とはいえ、貴美は真面目な優等生。
勉強も頑張りつつバイトもし、家の事もやるという良い子。
不良上がりだけども貴美のためにと必死で働く優太郎。
二人が幸せに過ごしている期間はとても平和です。
だけど最後に悲しい結末が待っているだろうことがひしひしと伝わってくるから、読んでいて苦しかったです。
 
一方的に貴美に一目ぼれをして振られた後、もっとストーカー的な事をしてくるのかなあと思った安藤があっさり引いてしまったのが意外だったのと、バイト先の店長の本性がやっぱり・・・という展開だったのが悲しかったですね。
 
今まで読んできた黒野さんの作品とは少々毛色が違うかも。。
それなりには楽しめたのですが、ありきたりな話とも取れたりするので、少々残念でした。
(3.5点)