No-music.No-life

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僕たちの旅の話をしよう

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赤い風船が運んできた手紙。それは、一人の少女が出した“誰か”を求める声だった。風船を受け取ったのは、どれほど遠くのものでも見えてしまう健一、どんな匂いもかぎわける麻里安、そしてあらゆる音を拾う耳を持つ隼人。不思議なチカラを備えた3人は集い、少女に会いに行くことを決めるが、理不尽な現実が事件となって彼らを襲う―。

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小路幸也さんの、文庫書き下ろし作品です。
文庫だから買おうかな、と迷って結局図書館で借りてしまったのだけど、買っても損はない作品でした。

小路さんの作品は、基本自分好みなんで、極端につまらなかった作品はないんですが、この作品、読後感の爽やかさがたまりませんよ!


緑豊かな山奥の田舎に住む舞が、そこから飛ばした風船。
風船につけた手紙を受け取り、返事を書いたのは、健一、麻里安、隼人の三人。
偶然にも、都内の、近場に住んでいた三人は、実際に会って交流を深めていく。

目が驚くほど良い健一、遠くの音まで聞こえる耳を持つ隼人、人からする匂いで、相手がどんな人間かを把握する事ができる麻里安。

三人を繋いだ舞のところに遊びに行く計画を立てたものの、それぞれの家庭に問題を抱えていて…


子供、しかも小学生となると、お金も稼げないし、保護者の許可がなくては何もできない無力な存在です。
だけど、その枠を破って自分達の力で何かを成し遂げるという強さを見せ付けられました。

とても爽やかな物語でした。