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訪問者

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山中にひっそりとたたずむ古い洋館―。三年前、近くの湖で不審死を遂げた実業家朝霞千沙子が建てたその館に、朝霞家の一族が集まっていた。千沙子に育てられた映画監督峠昌彦が急死したためであった。晩餐の席で昌彦の遺言が公開される。「父親が名乗り出たら、著作権継承者とする」孤児だったはずの昌彦の実父がこの中にいる?一同に疑惑が芽生える中、闇を切り裂く悲鳴が!冬雷の鳴る屋外で見知らぬ男の死体が発見される。数日前、館には「訪問者に気を付けろ」という不気味な警告文が届いていた…。果たして「訪問者」とは誰か?千沙子と昌彦の死の謎とは?そして、長く不安な一夜が始まるが、その時、来客を告げるベルが鳴った―。嵐に閉ざされた山荘を舞台に、至高のストーリー・テラーが贈る傑作ミステリー。




恩田陸さんの本です。

久々の恩田さんでした。
ちょっと厚めだったので、一日で読み切れないかな?と思っていたのですが・・・案外一ページに余白が多かったりして、あっさり読み切れてしまって拍子抜けでした。

今回は、古い洋館に「閉じ込められて」しまった老若男女達のちょっと不穏な物語でした。


まるで計算されたかのように、その洋館で身動きが出来なくなってしまう登場人物達。
そこに絡む、過去の疑惑。

いかにもここで殺人事件が起こりそうな展開なのですが、死体は2人です。


うーん、悪くないんだけど、結末に何となく納得がいかないような。
物語中盤でようやく登場する「訪問者」が、いささか急に探偵役になった気がしてしまって、どうにもしっくりきませんでした。