No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

Cの悲劇

イメージ 1
 
結婚十周年をむかえた芦田和賢と千巻。夫は在宅勤務を認められたコンピュータのシステム・エンジニア、妻はテニスのコーチ。子供をもつことはできなかったが、二人は東京郊外の閑静な住宅街に一戸建をもち、何の不自由もない優雅な生活を送っていた。千巻は、この満ち足りた生活が壊れてしまうことなど想像もしていない。しかし、隣りに一人の男が越して来たときから、二人の日常を破壊していく悲劇がはじまった…。


夏樹静子さんの本です。

W、Mに続いて今回はCの悲劇。
このシリーズは、今まで読んできたけれど外れがない!
今回も十分に楽しませてもらいました。


不足のない幸せな夫婦生活を送っていた千巻。
突如、何者かに夫を殺害された千巻は、隣家に越してきた梶に疑いの目を向けた。
SEだった夫・芦田の所持していたデータを、梶がスパイとしてもぐりこみ、奪った上で今回の殺人が起きたのではないか?
疑惑が膨らみ、梶に接近して証拠を掴もうとする千巻だったが、予期せず第二の事件が勃発する。
今回は被害者ではなく、加害者として…。


ネタバレですが、
梶と千巻が関係を持つようになるのは予想できましたが、更に入居したユカリの正体が判明した時には驚きました。
なるほど…!
伏線はあんなに張られていたのに、どうも千巻サイドで物語を見ていたので、ユカリに梶が誘惑されるのでは?とそっちにばかり気を取られていました。

結果は当然の事ながら、それでも梶の気持ちは千巻にだけ向いているという事実にほっとしている自分がいます。
危なっかしいのに、何故か放っておけない人物達に、ついつい物語の世界に入り込んでしまいました。