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偉大なる、しゅららぼん

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万城目学の最新作にして、大傑作!!!
琵琶湖畔の街・石走に住み続ける日出家と棗家には、代々受け継がれてきた「力」があった。高校に入学した日出涼介、日出淡十郎、棗広海が偶然同じクラスになった時、力で力を洗う戦いの幕が上がった!


万城目学氏の最新作。
 
天才マキメ氏、今回の舞台は京都・奈良・大阪と来て、滋賀県です。
「ホルモー」「鹿男」「プリンセス・トヨトミ」など、書店でタイトルを見かけた瞬間に、ついつい二度見してしまうような不可解でインパクトのあるものが多いのですが、今回は何ですか!
しゅららぼん、って!
 
購入するタイミングを逃したので、図書館で予約待ちすること数ヶ月。
ようやく読む事ができました。
 
なになに?
今回は男子高校生が琵琶湖を舞台に、代々引き継がれてきた「力」を云々・・・と。
で、そうかー。その力を使う時の音なのね。
 
なんて、中盤くらいまではすっかり騙されました。
後半で、しゅららぼんの真実・意味が分かった瞬間――脱力(笑)
 
やってくれますわ、マキメ氏!
 
個人的に、今回の主人公はいやにまともだなあと思ったのですが、まともで真面目で、「普通」であるが故、アホで憎めない癖のあるキャラクターばかりのマキメ氏の描く物語の中では、普通が異色であることを実感。
普通故に、何だか間抜けな主人公に心からエールを送りつつ、やはりクラスの女子共々、棗の格好良さに惹かれる女子の私がいるのでした。
 
 
前作の「プリンセス・トヨトミ」が若干癖がある話でとっつきにくさを感じたのですが、本作は冒頭から少しそれを感じつつ、後半までぐいーっと引っ張られていく感じで、いつの間にか物語に引き込まれていました。
 
凄い些細な事だけど、マキメさんが表現する、例えば鹿の鳴き声であるとか、今回はトンビの「ぴろう」とか、そういう表現が天才だなあと思うんですよね。
 
マキメ氏の頭には、一体どれだけのアイデアや物語が詰まっているのでしょう。
個人的に高校生が嫌いなくせに、学生モノが好きな私には溜まらなく主人公たちが愛おしく感じられました。
 
だって、赤い詰襟だし!
城に住んでるって!白馬にまたがる龍と話せる女子って!学校まで船(いかだ?)で通うって!
 
突拍子もないのに、マキメ氏の描く物語の中では自然とそこに居座っているんだよね、そういう「普通じゃないもの」が。
だから好きです。
 
次はどんなアホで愛すべき物語を届けてくれるのでしょうか?今後も楽しみです。
 
マキメ氏の作品、映像化が続いてますが・・・本作も映画化希望したいです。