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さまよう刃

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不良少年たちに蹂躙され死体となった娘の復讐のために、父は仲間の一人を殺害し逃亡する。世間の考えは賛否が大きく分かれ、警察内部でも父親に対する同情論が密かに持ち上げる。はたして犯人を裁く権利は遺族にあるのか?




東野圭吾さんの本です。

気になると思っていた本だったのですが、今日図書館に行ったら偶然おいてあったので、早速借りて読みました。
上下段になっているし、かなり分厚いので1日じゃ読み切れないだろうな・・・と思い読み始めたのですが・・・・スピード感のある展開と、重くて苦しい内容であるのに続きがきになって・・・気づいたら読み終えていました。

本当に面白い本というのは、どんなに分厚くてもすぐに読めちゃうものなんでしょうね。


犯罪者が、もし未成年だったら――

もし自分の子供が未成年の加害者に無残に殺されたら・・・
警察に捕まっても、法律が加害者を守ってくれる。
成人していないという事で、たった数年少年院に入っただけで再び世間に戻ってくる。

たった数年で、人間というのは更生などするものだろうか。

罪を罪と自覚しないまま、無残に死んでしまった被害者や傷を残した被害者の事を考える事もなく、ただ刑期が終わるのを待つだけ。

未成年とは言え、悪いものは悪い、どこからが犯罪で、どこまでが許されるのかを判断出来るというのに。

もし自分の子供が、こんな人間に無残に殺されたりしたら・・・・

世の子供を持つ親が、もしかしたら経験する可能性のありえる事。
他人の不幸は関係ないけれど、もし自分がそれに巻き込まれたら・・・

とても重いテーマです。
だけど、警察官側の視点、被害者の親の視点、加害者の視点と様々な角度から焦点をあてた本作は、色々な事を考えさせられるものでした。

この話、今年の秋ごろに映画が公開されるらしいです。

映像化したら・・・目を背けたくなるようなシーンも多いのだろうな・・・。
だけど気になります。