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正月十一日、鏡殺し

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電波オタクの予備校生が聴いた不思議な隠語「カチカチドリを秋葉原で飛ばせ」の謎(盗聴)、猫マニアの恋人をもつサラリーマンに宿る殺意(猫部屋の亡者)、姑に対する憎しみをエスカレートさせる妻の心理を追う(表題作)等、日常の中に潜む恐怖を描く戦慄の7編。ミステリー最前線を疾走する鬼才の傑作集。

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歌野晶午さんの本です。

長編かと思って借りましたが、短編集でした。

☆盗聴
逃亡者 大河内清秀
猫部屋の亡者
記憶の囚人
☆美神崩壊
☆プラットホームのカオス
☆正月十一日、鏡殺し

7つの短編集となっていますが(☆がオススメ)、後半にいくにつれて、だんだんおどろおどろしく、後味の悪い作品になっていきます。

しかし…うまい!
どれも淡々とした日常に転がっているような話なんだけど、ほんの些細なきっかけで物事は悪い方に転がっていくことがあるのだ、と、そんなことを思わされる作品ばかりです。

「ハッピーエンドにさよならを」に近い感じですかね。
盗聴以外は悲惨であったり、恐ろしかったりする結末の話ばかりです。
でも、これが嫌な感じじゃないんですよね。
後味が悪いというよりは、余韻?この読後感は、ぜひ味わっていただきたいです!